サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- “人”を中心に据えたプラットフォーム型地域活性
開催日: 2022年2月24日
○活動の主旨、目的○
「はじめは、仲間と一緒にちょっと豪華なピクニックをやりたいという動機だけでした」と語る大原氏。
そんな楽しげな人たちが始めた“村祭り” 無料野外音楽フェスITAMI GREENJAMはいつしか地域の文化祭のように、そこに住む人々の表現への欲求を満たす場となり、今や関西最大級の規模に成長しました。2017年にはまちづくり法人を設立し、一時のイベントではなく日常に根付くプラットフォームづくりに取り組み、地域活性に貢献しています。今回はITAMI GREENJAMの仕掛け人であり、その独自の手法で現在各方面からの要請に応え、地域活性プロデュースを手掛ける大原氏にお話をお伺いしました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
大原 智 氏
一般社団法人GREENJAM 代表理事
昭和59年、福島県生まれ、伊丹市育ち。バンド活動を経て、平成22年より音楽教室を主宰。
バンド活動時代に所属していた事務所が平成17年から始めた音楽フェスCOMING KOBE(カミング神戸)の影響を受け、平成26年、地元伊丹市の同世代仲間と共に無料野外音楽フェスITAMI GREENJAMをスタート。
「市民みんなが参加し、表現することの価値を証明するためのプラットフォーム」と位置づけ、市民参加型と無料開催にこだわり続けている。平成29年にはまちづくり会社、一般社団法人GREENJAMを設立。
音楽フェスの主催を通じて蓄積された経験で、各地の活性化プロジェクトを手掛けている。
ナレッジドナーインタビュー
- 文化的な取り組みに無関心な人たちを振り向かせるために、どのような工夫をされていますか。
- 本日お話しさせていただいた無料の野外音楽フェス「ITAMI GREENJAM」には、一般の会社員の方など、普段音楽とは無縁の方が多く集まってくださっています。フェスティバルというのは、音楽に無関係な人たちに関わってもらう余白設定がしやすいコンテンツだと感じます。例えば、音楽やアートに興味はないけれど、盆踊りには参加するという人もいれば、特に音楽が好きな訳ではないけれど、人手が足りなければステージ設営を手伝うよと言う人もいます。つまり、人々の関わり設計が非常にしやすく、関わった以上は「ITAMI GREENJAM」に少なからず愛着を感じてくださったり、当然イベント当日には来場してくださったり、毎年の開催を楽しみにしてくださったりというところにつながっていきます。結果的に、興味の有無にかかわらず、多様な人々が交わり合う一つの空間が出来上がっていくのだと思っています。
- イベントの規模が次第に大きくなるにつれて心境の変化はありましたか。また、その先の抱負についてお聞かせください。
-
先ずは抱負について言わせてください。もちろん毎年の事業計画は立てますが、将来の抱負や5年、10年先のビジョンを今まで掲げたことは今まで1度もありません。私は好奇心が旺盛で、その場その場で興味を持ったことをやっていくと、それが点になり、線になって面になったという繰り返しで今があります。そのため、基本的に長期的な抱負やビジョンはないですが、共通の目的や関心を持つ人々が集い生まれるアソシエーションは、全国的にどんどん多様化して広がれば良いなと考えています。
心境の変化に関しては、自分たちがやりたいから始めただけのことが、結果的に色々な人に支えられ、関わっていただくようになりましたので、今は「頂いた恩を返したい」と思っています。以前は社会や地域のことにあまり関心がありませんでしたが、「ITAMI GREENJAM」の開催を通じて地元の方々と関わる中で社会や地域を意識するようになり、地元への恩返しという気持から、今では社会貢献やSDGsといった言葉にも関心を持つようになりました。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。