サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
選びたくなる高齢者住宅 -魅力ある多様化を目指して-

開催日: 2022年3月31日

○活動の主旨、目的○
かつては「老人ホーム」といえば、『姥捨て山』などと言われ、「介護は家族がするもの」との印象が強かったものですが、世界に類を見ない超高齢化社会となった今、様々な形態の高齢者施設や住宅の選択肢が増えてきています。2040年前後まで高齢者数が増え続けるといわれる中で、単に人生の終盤を過ごすための住まいという機能にとどまらず、QOL(Quarity of Life:生活の質)を高めるための各種サービス(例えば、美容や、健康、食といった)が求められているといっていいでしょう。
長年、介護サービスや高齢者住宅の不動産開発に携わり、現在は高齢者一人一人に寄り添った住宅の紹介を行う石井氏に高齢者住宅を取り巻く現状や高齢者ビジネスの可能性などお話いただきました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

石井 英彦 氏
株式会社カラフル代表取締役
一般社団法人日本相続プランナーズ理事

大手電機メーカーのパナソニックにて新規事業である介護サービス事業(福祉用具と住宅改修)の立ち上げに12年間従事したのち、土地オーナーの有効活用によるサービス付き高齢者向け住宅の拠点開発に5年間参画。グループ会社であるパナソニックホームズで介護施設建設の営業企画業務に5年間従事した後、独立。現在は、個人事業主として高齢者の住まいを紹介する事業を立ち上げている。

ナレッジドナーインタビュー

  • 介護業界において、昔と現在を比べて変化を感じられることはありますか。
  • 私が介護の仕事を始めたのが約20年前で、当時は高齢化率(高齢者人口比率)が約17%でしたが、現在では30%と非常に高くなっています。高齢者住宅を60万世帯分整備しなければならないところを、まだ30万世帯分も整備できていない状況です。その原因のひとつに人手不足があります。現在では、高齢者がこれほど増えているにもかかわらず高齢者を支える人がいないという課題に直面し、今後さらにこの課題の重要度は増していくだろうと思います。実際、街を歩いていても高齢者が増えていることを実感しますし、街中で戸惑っていらっしゃる高齢の方もよく見かけます。このような状況だからこそ、ビジネスによって課題を解決するチャンスだと思っています。ビジネスに限らず何かで役に立てる余地は増えてきていると感じますので、幅広く介護に携わっていきたいと考えています。
  • これまで携わってこられた介護の仕事の中で、印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
  • 忘れられないエピソードはたくさんあります。福祉用具を扱い、介護の現場の最前線にいた時には、死期が迫った方へ車椅子や介護ベッドをお届けし、大変助かったとご本人やそのご家族からとても感謝されることがあります。最期に桜を見たいと要望される方へ車椅子をお届けしたこともありました。桜をご覧になった数日後にその方がお亡くなりになったので車椅子を回収に行くと「最期に桜を見せられたことは何ものにも代え難い」とご家族が感謝してくださいました。他にも、高齢者住宅の開発では、オーナーの方に何億もの多額の費用をかけて高齢者住宅を建てていただきますので、失敗できない事業を担当していました。事業が上手くいって、今でも当時担当したオーナーの方とつながり、喜んでいただいています。介護の仕事は人から感謝されることが多いので、それが次の仕事へのエネルギーになっていると感じます。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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