サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
デジタル変革最前線

開催日: 2022年4月14日

○活動の主旨、目的○
デジタル変革とは、企業の諸活動を情報通信技術により効率化し、さらには企業文化、組織を変革し、新たな事業形態に変容していくことを意味しています。そしてその背景にあるデジタルとは、広義には情報通信技術を用いて、あるべき社会システムをデザインすることを意味しています。
栄藤氏はデジタル変革、数々の人工知能技術の開発と関連する新規事業創出を手掛けてこられました。
デジタルによって、これまで何が起きて、これから何ができそうか、また、今後“人と人のつながりが重要”になってくる点についてお話頂きました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

栄藤 稔 氏
大阪大学 先導的学際研究機構 教授

ドコモにてモバイルマルチメディアサービス開発を主導。MP-4ファイルフォーマットの生みの親でもある。
シリコンバレー勤務を経てドコモのビッグデータ処理を立ち上げ、AIサービスとDXの開発を行う。
投資部門でも活動し2016年7月までNTTドコモベンチャーズの社長を兼務。この間、NTTドコモ執行役員として新規事業開発を担当。2017年7月より大阪大学先導的学際研究機構教授。
2014年10月から2020年6月まで、機械翻訳の新規事業である株式会社みらい翻訳を創業しCEOを兼務。
2017年8月より、対話AIの技術系スタートアップ、株式会社コトバデザインを創業、現在会長。

ナレッジドナーインタビュー

  • イノベーションを創出するに当たって、日頃から心掛けていらっしゃることをお教えください。
  • 当然のことながら「技術屋」として最新技術の動向は注視しています。さらに、その技術が社会においてどのような化学反応を起こすかを常に考え続けています。
    例えば、首都高が運用している「インフラドクター」は、収集した3次元点群データを活用して道路や構造物の維持管理を支援するシステムです。この技術だけでも凄いことですが、この後はどうなるのでしょうか?また、AIの自然言語処理では、多少の違和感はあるものの、キーワードだけを入力すれば作文がほぼ自動化できます。そうすると、それがどのような応用につながっていくのでしょうか?このように私は、開発された技術の先を考えるという癖がついてしまっているようです。
    技術だけを突き詰めるのではなく、技術がどうなっていくのかを見続け、世の中にどのようなインパクトを与えるのか、何と何が結びつくのかという組み合わせを考え続けることを常日頃から意識しています。
  • 技術革新に伴い、人々の交流やつながりは今後どのようになると思われますか。
  • 現在、メディアがマスメディアからパーソナルメディアに変わってきているという事実があります。テレビを見る人が激減し、代わりにYouTubeを見たり、友人とゲームをしたりする人が圧倒的に増えています。
    このようにメディアは置き換わりましたが、では次にバーチャルリアリティに置き換わるかどうかと考えると、デバイスの整備にまだ時間がかかります。デバイスの課題を解決するのにあと5年かかるとすると、5年後にはまた違うメディアに変わっていると思います。つまり、今はテレビからパーソナルメディア、ソーシャルメディア、ネットメディアへの置き換えが終わり、次の5年で、より臨場感のあるHiFiやAIが介在するようなソーシャルメディアになっていくのではないかと考えています。
    このようにコミュニケーションを補完するツールはどんどん変わっていきますが、コミュニケーションの頂点にあるのは、日本の居酒屋や家族団欒に象徴される「直接会う」こと。それは今後も変わらないと思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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