サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 遠隔ICUから始まる医療DX
開催日: 2022年6月16日
○活動の主旨、目的○
株式会社T-ICUの概要と代表の中西氏のご紹介。現在、集中治療を取り巻く状況として、設備を持つ病院の数に対して集中治療専門医が圧倒的に不足している点、アメリカでは先行して集中治療の遠隔管理化が進んでおり、死亡率が低下していることを紹介。その上で中心事業である遠隔相談サービス『リリーヴ』と遠隔モニタリングシステム『クロスバイ』についてご紹介頂いた。医療という特殊な業界でのビジネスの使命感と難しさについて触れた上で、今後取り組みたいこととして、医療的ケア児の遠隔サポート事業、また航空機などでの救急医療対応のサービス化の可能性などに言及頂いた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
小倉 大 氏
株式会社T-ICU 取締役 経営企画部長
2005年~2006年 株式会社学究社 学習塾ena府中校校長
2007年 早稲田大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学
2006年~2008年Servision株式会社(現株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ)
法務・内部統制推進グループ・マネージャー
2009年~2010年 トレイダーズホールディングス株式会社法務部長。
子会社トレイダーズ証券株式会社経営企画室長。
2010年~2012年 株式会社コロプラ法務・総務グループマネージャーとして、法務、総務業務を担当。
2012年~2013年 株式会社ドン・キホーテ法務部/グループ戦略部マネージャー
2013年~2014年 日本アセットマーケティング法務部長
2014年~2018年 株式会社ケイブ経営企画部長/執行役員
2018年5月より現職。
ナレッジドナーインタビュー
- 医療DXをめざす企業において、ご専門の法学に関する知見はどのように活かされているのでしょうか。
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経営だけでなく、現在も法務の業務に携わっています。契約書はビジネスモデルを紙に落とした最終的な形ですので、今までに数多くの契約書を見て来た経験を踏まえて、事業内容がどのように落とし込まれるかを契約書の完成イメージから逆算して考え、相手と交渉することができます。法律の知識があり、自分自身で契約書のドラフトも作成しますので、交渉の際には優位性を保ちやすいと思います。
また、法務以外の面で言いますと、私は大学院では憲法学を研究し、統治機構という国の政治システムが専門でした。この統治システムは企業の構造と大体同じで、コーポレートガバナンスなど、企業の体制を構築する上で役に立ちます。 - 神戸市との関わりが深いようですが、何か理由はありますか。
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神戸市は、医療関連の研究機関や企業団体が集結し、新しいビジネスを創出することを目指した、日本初、最大級の医療産業都市であることが魅力の一つだと思います。
私が入社する前の立ち上がりの時代には、代表の中西が京阪神で開催されるピッチコンテストなどによく参加していました。その中で、たまたま神戸市のコンテストで良い賞をいただき、そこから神戸市職員の方々との交流が始まりました。その後、私が入社した頃に「500 KOBE ACCELERATOR」という神戸市のアクセラレーションプログラムに選定され、神戸市の方々からも本社を神戸市に移転すればもっと積極的に市からサポートできるということで、2021年3月に芦屋市から移りました。
実は、その前からポートアイランドにある神戸医療産業都市に事業拠点を設けており、そこで神戸市主導のコロナ対策プロジェクトの案件もいただいていました。ちょうど神戸市立医療センター中央市民病院で医師不足の問題が深刻化していたこともあり、神戸市においてT-ICUによる遠隔ICUサポートが必要とされる状況であったことも関係していると思います。
その後、神戸医療産業都市におけるコロナワクチン職域接種をお手伝いするなど、補填所在というだけでなく、当社においても深い関わりのある都市と考えています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。