サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
日本人の心に刻まれた香りとそのルーツ -ビジネスパーソンが楽しめる、和の香りへの招待-

開催日: 2022年11月3日

○活動の主旨、目的○
日本人が親しんできた香りの起源とその広がり、また時代ごとの香り文化の担い手とその特性など、幅広い情報から我々が親しんできた香りについて紐解いた上で、その集大成として成立していった香道の世界について解説頂いた。
香りの元となる香木、特に沈香について、その希少価値を体感頂いた上で最後には香道で使用される美しい道具類と共に、電子香炉にて実際の香りを参加者の皆さんに体験頂いた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

矢追 聡香(矢追佳代子) 氏
香道 泉山御流 師範

香道 泉山御流 宗家鳥休庵に師事。
現在、師範として香道初心者の方へ親しみやすい香道を実践中。

<香道の流派「泉山御流」について>
京都東山に位置する泉涌寺(せんにゅうじ)長老をお家元と仰ぐ、江戸時代から続く流派。泉涌寺は一般の寺院とは異なり、寺域内に歴代の天皇陛下、多くの皇族方の御陵を擁する皇室の香華院であり、このため「御寺(みてら)」と呼ばれ親しまれています。泉涌寺には天下第一の銘香・蘭奢待を始め、歴代の天皇陛下の香道具などが大切に蔵されており、国内外の教場で広く香道を伝えています。

ナレッジドナーインタビュー

  • お名前の「聡香」の由来を教えていただけますか。
  • 茶道の茶名や華道の雅号などと同様に、香道・泉山御流では師範になると宗匠に「香名」を付けていただきます。師範の資格を拝受する際に、流派の本山である泉涌寺(京都・東山)でセレモニーが行われ、そこで新しく師範になった人に付けられた香名が一人ずつ読み上げられます。女性の場合は「香」の字が必ず付きます。もう一つの漢字についてはセレモニー当日に初めて明かされ、宗匠が命名の理由を説明してくださいます。 私が香名を拝受した際には、本名には含まれない漢字の「聡」を付けていただき、「『聡い』と言われるように頑張りましょう」という激励の意味を込めてということでした。そしてもう一つの理由として、香道に大変縁が深いと言い伝えられている聖徳太子の幼名に「聡」の字が入っているとご説明いただき、ありがたく拝受致しました。
  • 香道を始められてから感覚に変化はありましたか。
  • 香道を始めてから五感をとても意識するようになりました。
    現代人は、五感のなかでも特に視覚と聴覚に非常に依存していますよね。特に今はパソコンひとつで日常生活が送れるようなIT時代ですので、自然のなかで嗅覚や触覚を意識することが昔に比べて少なくなってきていると思います。
    香道は微かな香りを楽しむものですので、以前は気に留めなかった、ちょっとした香りや食感などに敏感になった気がします。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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