サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
日本は「進んだ国」なのか -情報公開とメディア、調査報道の視点から-

開催日: 2022年11月10日

○活動の主旨、目的○
まず初めに、朝日新聞の経済部として、これまで野口氏がスクープしてきた記事などをまじえ、現在の日本の報道の在り方についてお話がありました。
つづいて、アメリカの中間選挙での各政治家の情報公開について話題に移り、アメリカでは日本の総務省にあたる組織のwebサイトには全ての議員の寄付額や支持団体からの献金などお金の流れが全て公開されているとのこと。
一方、日本の政治家への寄付や献金について調べようとすると、総務省や地方自治体などのwebサイトにては、公開されてはいるものの、まとまった情報として公開されていないことを指摘。
現在、日本は政治家の活動の情報公開の仕組みが不明瞭な情報提供で許されているため、どの議員が、どのような組織から資金的なバックアップされているかなどが、わからない状況で良しとされている。
日本の政治をよくするためには、市民が政治家に対しより詳細な情報公開をするようプレッシャーをあたえる必要があり、市民が政治を変えていく環境と意識づくりをしていく必要があり、そのためのメディアであるべきだと訴えいてた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

野口 陽 氏
朝日新聞 大阪本社経済部 記者

1974年生まれ、東京都出身。日比谷高等学校、京都大学経済学部卒。
朝日新聞入社後、東京、名古屋、福岡などで勤務。
「政治とカネ」をテーマにした調査報道や、経済産業省、国土交通省といった官庁・政策の取材が長い。
2018年からの米国留学で、日米の政治資金制度を比較。2021年秋から大阪経済部。
エネルギー業界などの取材を担当。朝日放送の情報番組「おはよう朝日です」とのコラボ企画も仕掛ける。

ナレッジドナーインタビュー

  • 取材や記事を書かれるときに大切にされていることは何ですか。
  • 「知りたい」「おかしい」という心のひっかかりですね。「読者の方々は何を知りたいのか」「何を伝えるべきか」を考えながら、読者に代わって私が聞くという気持ちを大切にしています。
    読者の皆さんがまだ知らないことや知られていない観点を掘り起こし、提示するのも私たちメディアの大事な役割です。ジャーナリズムの力を見せられる場でもあり、私自身はこうした問題提起型の報道にはこだわってきたつもりです。
  • 新聞記者としてのご経験の中で、最も印象に残っていることをお聞かせください。
  • 1面トップの記事を書いた時は嬉しいですが、それも場合によります。記事は「発表したものを書いた記事」と「記者の力で掘り起こした記事」に大別されます。どちらも1面トップになることはあるし、そうならないことも多い。
    1面に載らなかったとしても、自分自身の問題意識で調べた問題が世に出て、皆さまに読んでもらい、何かを感じていただけたら、それが嬉しいです。調査報道には手間と時間がかかりますので、こうした記事が評価された時のことが最も深く印象に残っています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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