サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
大人にも有効!? ちゃんと知りたい噂のモンテッソーリ教育

開催日: 2022年12月8日

○活動の主旨、目的○
まず延期となった前回(9月15日)について、ご自身のご病気の発覚と手術が原因であったこと、そして一連の療養生活の中で、モンテッソーリ教育やそれを介護に応用したモンテッソーリケアについてこれまで以上に実感を伴うことが出来たことについてご説明があり、その後自己紹介。
本題としては、まずモンテッソーリ教育の考案者(イタリア人女性医師、マリア・モンテッソーリ)と、その始まりについて、また教育の考え方や概念、また教育の対象となる人間をどのように捉えているかについて解説し、教育の以前にいかに観察を重視しているかということをお伝え頂いた。現在のモンテッソーリ教育では主に0歳~24歳を対象に世界中で実践されているが、認知症患者や、介護施設入居者のQOL向上に効果をあげるモンテッソーリケアの他、社会人教育にも応用できる考え方であることを示唆頂いた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

安藝 雅美 氏
芦屋大学 臨床教育学部 児童教育学科

兵庫教育大学大学院学校教育研究科教科領域教育専攻修了。学校教育学修士。 0~3歳、3~6歳MONTESSORI教師国際免許、臨床発達心理士等を取得。職歴は、保育園5年・幼稚園25年・幼稚園長3年・現在は大学にて幼稚園教諭保育士等を目指す学生への指導を行っている。出産後家庭に籠りがちな母子がゆっくりとくつろげるサロンとして「0~3歳対象のSalon de maternalまや子どもの家」を立ち上げ、家庭でできるモンテッソーリ教育を提供(モンテッソーリの教具がなくとも、理論を活かした保育・教育・生活は、すべてに応用が可能)。現在の研究は、モンテッソーリ氏の教師像から学ぶ「サーバントリーダーシップ」について、またモンテッソーリ教育を生かした認知症ケア「Montessori-care」に注目している。

ナレッジドナーインタビュー

  • 現在、モンテッソーリ教育が最も盛んな国はどこですか。
  • 発祥はイタリアですが、現在では中国やロシアも含めて110カ国以上の国々でモンテッソーリ教育は行われています。その中でも、国の規模が大きいアメリカがやはり数的に一番多いと思います。逆に発祥国のイタリアでは、シュタイナー教育やレッジョ・エミリア教育など色々な教育法が生まれており、モンテッソーリ教育が特に盛んという訳ではありません。また,ルワンダのように内戦が続いた途上国でも行われています
    モンテッソーリ教育はどの国においても全く同じ教具を使って行われ、そこが素晴らしいところだと思います。国民性などに関係なく、人間の根本的な発達に基づく教育法である所以です。
  • モンテッソーリ教育のデメリットは何だとお考えですか。
  • モンテッソーリ教育にデメリットはないと思います。ただ、この教育法をきちんと理解せず、適切な環境を準備しないまま行うと、モンテッソーリ教育の理想的な育ちにならない場合があります。また、自由の捉え方を間違って、わがままを助長する形になると、やはり本来の育ちとは異なるものになってしまいます。保護者であっても教師であっても、モンテッソーリ教育を真に理解し,実践できる人が子どもの傍にいて援助ことが大事だと思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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