サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
Web3.0時代に知っておきたい“著作権”のこと

開催日: 2022年12月15日

○活動の主旨、目的○
ご家族に制作活動をされている方がおられる影響から、アーティストへの法的支援の取り組みをして来られた経緯を含めた自己紹介。本題に入り、まず初めに著作権という法律について、現行法の成立年月日、また社会情勢や技術の進化に伴い、これまで何度も改訂があったことについて確認した後、著作権というものの考え方について具体的事例を交えて、時に解釈・判断が分かれることのある権利であることを丁寧にご説明頂いた。
次に、Web3.0とはどういう状況かについて確認し、NFTアートというものがデジタルコンテンツ+NFTという技術の組み合わせで成立し、どの部分に著作権が適用されるのかについて解説頂き、取引成立によって著作者と購入者それぞれにどのような権利が認められるかは取引が行われるプラットフォーム毎に異なるため、取引をする場合は約款を注意深く確認する必要があるとのこと。最後に今後の予測として著作権法そのものが根本的に変わることはないだろうが、改正が加わっていくことが考えられ、また著作権的にはまだまだ課題の多いNFTだが、本来は投資的なものではなく、個人が安心して取引するための技術であるし、今後はそのような方向で整備が進むべきという意見で締めくくって頂いた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

厚地 悟 氏
厚地・田中法律事務所 弁護士

出身地は京都。大阪弁護士会所属。平成23年、大阪弁護士会にて弁護士登録。平成31年4月に厚地・田中法律事務所を開業し、現在に至る。一般民事事件を中心に、アーティストやクリエイターなど文化芸術に携わる個人・団体に対する法的支援に従事。令和2年12月22日実施に係る『文化芸術と法~「契約」と「著作権」の基本的な知識の取得を目指して』と題する講演等知的財産権に関する講演を実施。

ナレッジドナーインタビュー

  • 若い世代が著作権について学べる機会を提供するなどの取り組みはされていますか。
  • 自治体などからの依頼で、クリエイターに向けて著作権の基礎講義を行ったことがあり、そこには若い世代の方も多く参加いただいていました。今後機会があればさらに若い学生等に対しても、著作権の面白さを伝えていきたいと思っています。
  • アーティストの支援に目を向けられたきっかけを教えてください。
  • 私自身がアートに直接関わっている訳ではありませんが、身近にアートに携わる人がいたことがきっかけですね。現在の社会では、若手のアーティストで芸大や美大を卒業した後、アーティスト活動で生計を立てられる人はごく一部です。アーティスト活動を続けたいけれど、様々な問題から、その継続を諦めざるを得ない人がいることをとても残念に感じていました。
    クリエイティブな才能や活動が大学で終わってしまい、実社会で活かされないのは非常に惜しいことだと思います。弁護士の立場から法的にアーティストをサポートし、文化芸術活動を生業にして生きていける社会の実現に少しでも寄与できればと考えています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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