サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 「キャリアブレイク」という考え方-
開催日: 2023年2月9日
○活動の主旨、目的○
楽しく働いていたJR時代に社員の働く物語を持てるサポートをしたことをきっかけに“働く物語を作る”会社を立ち上げた北野氏。その会社の取り組み、またパートナーである奥様が無職期間を有効活用している姿を通して、離職期間は投資であることに気づき「キャリアブレイク」に行き着いたとのこと。
キャリアブレイクとは、人生を一時的に中断し、出直しの機会。キャリアブレイクの入り口が心身の不調などネガティブなものであったとしても、“私”を主語に戻すことで感性を回復させることができ、志を見つける人が多い。キャリアブレイクを文化にすることで、自殺の予防、地方創生、一時就労の価値の転換などが可能になる。キャリアブレイクが文化になれば遅れて国や会社が動き始め、制度や政策が生まれてくるので、現在のような応急処置ではなく、根本的な解決になる。それが結果的に平和につながるのではないかというお話を伺った。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
北野 貴大 氏
一般社団法人キャリアブレイク研究所 代表
大阪市立大学卒。JR西日本グループにて、JR大阪駅ビルの「ルクア大阪」をはじめ商業施設の企画マーケティングに従事。新店舗業態を開発する「妄想ショップ」やトキメキコンサル事業「トキメキ事業部」などの新規事業を創設。その後、ファシリテーションを軸として、企画マーケティングを行う「合同会社パチクリ」を起業。また、一時的な離職休職を肯定的に捉える「キャリアブレイク」という欧州の文化を輸入する一般社団法人を設立。
ナレッジドナーインタビュー
- ネガティブなことをポジティブに変換する、発想の転換力の源を教えてください。
- 私は、クリエイティブな能力で発想の転換をしているというより、人の心の大事な部分に歩み寄っていく多少のスキルとモチベーションを持っているのだと思います。人の心に興味があって、その人が何を考え、何を大切に思っているのかを知りたいと思うのです。例えば、タスク的な仕事をするにしても、相手が「何を一番大切に考えて生きているか」を知っているか・いないかで、コミュニケーションの状況は全く違ってきますよね。人の心をきちんと理解して、生きたり、共に暮らしたり、働いたりすることを意識しています。それが発想の転換につながっているのでしょう。人を見た目だけで決めつけず、「何を一番大切に生きていますか?」とそっと問いかけて、人の心に触れたいと思っています。
- 講演での「ずっと楽しく仕事をしてきた」という言葉が印象的でした。日々の生活で楽しさを見つけるコツは何でしょうか。
-
本題に入る前にお断りしておきたいことがあります。私は決して「好きなことや、やりたいことを仕事にしよう」というメッセージを出している訳ではありません。自分自身を見失うことは良くないですが、「楽しさ」や「好き」を起点に生きることを啓蒙したいとは思っていないのです。なぜなら、世の中には我慢して歯を食いしばって家族や社会のために働いている人がたくさんいます。何かに対して使命感を持って働いている人に「好きなことしよう」と言っても意味がありません。私は、出会った仕事の中で働く意義や心地良さを見出している人には敬意を表します。
この前提のもとにお話しすると、楽しさを見つけるコツは「自分のことを話す」ということです。初めは上手く話せないことも多いですが、話しているうちに段々と言葉が出て来るようになります。そうして感性が回復してくると、身の回りに楽しさを見つけられるようになるのです。「自分の思いを声に出して自分の言葉で聞く」ことがとても重要だと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。