サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 世界を舞台に活動するプロヴァイオリニストが作る国際音楽祭 ~クラシック音楽の輪を日本から世界へ~
開催日: 2023年2月23日
○活動の主旨、目的○
『ヴェストホフ ヴァイオリン組曲』の演奏をしていただいた後、日下氏が所属されているベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、ベルリン・コンチェルトハウス室内管弦楽団、またプライベートの写真を見ながらインタビュー形式でお話を伺い、その後芦屋国際音楽祭についてのお話へ。
ベルリンでの活動が十数年経ち、これからどんな活動をしていこうかと考えたとき、自分が経験してきたことを何か残せないか、未来に向けて貢献したい、自分が学んできたことを伝える立場になりたいと考え、夢であった自分がプログラミングする音楽祭をしたいという思いに至った。そう思うようになったきっかけは、若い方たちに世界へ羽ばたいてもらいたいという思いからだったとのこと。
海外には色んな国の色んな文化で育った素晴らしい音楽家がたくさんおり、そういう人たちから得る影響や刺激が演奏活動の支えにもなるが、最近では安定志向やネットの普及により留学をする人が減ってしまっている。芦屋国際音楽祭が若い方たちへの刺激になればとお話された。
最後に第三回芦屋国際音楽祭についてのお話があり、『バッハ ヴァイオリンソナタ第3番 ラルゴ』の演奏で締めくくられた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
日下 紗矢子 氏
ヴァイオリニスト
1979年、兵庫県生まれ。
1994年、東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校に入学し、清水高師に師事。
1997年、東京芸術大学に入学。2001年3月同大学を首席で卒業。
2000年パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール第2位、併せてカプリース最優秀演奏賞受賞。日本音楽コンクール第1位、増沢賞、レウカディア賞、鷲見賞、黒柳賞受賞。シベリウス国際ヴァイオリンコンクール第3位。
2001年10月、ダラスの南メソジスト大学に留学し、エドワルド・シュミーダーに師事。
2002年ロドルフォ・リピツァー国際ヴァイオリンコンクール第1位、併せてバッハ賞、モーツァルト賞、現代曲賞など7つの副賞を受賞。
2006年よりフライブルク音楽大学へ文化庁派遣芸術家在外研修員として留学し、ライナー・クスマウルに師事。
2008年よりベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(東ベルリンの旧ベルリン交響楽団)の第1コンサートマスターを務める。
2009年ベルリン・コンツェルトハウス室内管弦楽団のリーダーに就任。第19回出光音楽賞受賞。
2013年4月、読売日本交響楽団コンサートマスターに就任(2017年度より特別客演)。
ナレッジドナーインタビュー
- 音楽祭をプロデュースするにあたって、楽しいことと大変なことをお聞かせください。
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音楽祭では自らプログラム構成をし、私自身が共演したい演奏家や日本の方々に聴いていただきたい演奏家を招いていますので、一緒に演奏できて本当に楽しいと感じています。その上で、私たちの演奏を聴きに来られた方々が喜んでくださっているのを見るととても嬉しく思います。
一方、大変なことは、どのように音楽祭を続けていくかという現実的な運営の部分です。現在は委員会の方たちがボランティアで運営面を手伝ってくださっていますので、どうにか対応できているという綱渡りの状態が続いています。今後の課題は、運営資金を確保しつつ、どのように地域に根付いた音楽祭にしていくか、次につなげていくかということですね。
- 芦屋国際音楽祭の今後の展望についてお聞かせください。
- 芦屋国際音楽祭の開催には「若い音楽家を育てる」という意味合いもあり、若手の育成を非常に大切にしています。もう少し資金のやり繰りができるようになったら、音楽祭に出演する音楽家が若い人たちにレッスンをするマスタークラスなども行いたいと思っています。将来的にコンサートの回数を増やし、もっと多くの若手音楽家を呼んで一緒に演奏できる機会を増やしていければと考えています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。