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サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
今だからこそ光る!モノの魅力があふれるコマ撮りアニメーションの世界

開催日: 2023年8月31日

○活動の主旨、目的○
今回の木曜サロンでは、コマ撮りアニメの制作手法と魅力についてお話しいただきました。
コマ撮りアニメは、細かな変化を組み合わせて撮影し、連続再生することで自然な動きを生み出す手法として現在でも人気コンテンツであり、古くからある手法ではあるが、いまだに魅力がある手法でもあるとのこと。
物体の質感をリアルに表現できることが、CGにはないコマ撮りアニメならではの魅力だと植村氏は言います。
ご講演中に、粘土で作った被写体を少しずつ動かしながら、アニメーションを作っていく場面では、会場の皆様も興味津々の様子でした。
またコマ撮りアニメの造形物を作るうえで、より精度の高いものを作りたいとの思いから、3Dプリンターで出力できるよう3Dモデリングの技法を取り入れ、その技術を生かしCGやARコンテンツ「COCOAR」の開発など新しい事業の展開にも繋げていったとのこと。
今後の展開としてデジタルツインの技術を使ってコマ撮りをバーチャルの中にも反映させることを目標にしており、バーチャルの世界が日常化した世界でも、コマ撮りが上手く融合する未来を創っていきたいと締めくくられました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

植村 泰之 氏
株式会社ミツマメプロ 代表

2010年アニメーション作家集団のPEASを立ち上げ月例の上映会や各地での上映会を多数開催。6年間で86回に渡る上映を主催。
2015年株式会社ミツマメプロを起業、コマ撮りアニメを始め3DCG、AR、VR、PJマッピングなど特殊な技術を強みとした映像制作会社を運営。
テナントスペース「Creative Garage TinToys」を運営。成安造形大学、大阪デザイナー専門学校にて講師。

ナレッジドナーインタビュー

  • 映像制作において、大変だったことや、印象に残ったエピソードがあればお聞かせください。
  • 会社を設立したばかりの頃、ディズニーから仕事の依頼が舞い込み、テレビ局と映画の告知映像を制作するプロジェクトがありました。絵コンテ、人形やセットの製作、撮影、そして納品までの一連の作業は、非常に大変なものです。しかし、製作期間から納品までわずか2週間という厳しいスケジュールでした。
    当時、5人ほどの同僚たちと、こんなチャンスは滅多に巡ってこないと、寝る間を惜しんで頑張りました。とても大変でしたが、2週間で何とか完成させることができました。その後、制作した映像を、世界的に有名な映画監督に鑑賞していただく機会があり、喜びも大きく、今でも感慨深い思い出です。
  • 日本のコマ撮り技術は、世界的に見ると進んでいますか?
  • 私の感じるところでは、日本はヨーロッパ、特にイギリスやアメリカに比べて後進国のような印象があります。日本ではDIYがあまり盛んではないんですよね。模型作りに対して苦手意識のある国民性なのかもしれません。こうした背景もあり、他国に比べて遅れを取っているのではないかと思います。コマ撮りにおいては、文化的な成熟が重要であり、模型作りの土壌が必要だと感じます。
    また、過去に有名だったのは、チェコやロシアのコマ撮りアニメーションです。これは社会主義やプロパガンダの要素が組み合わさって、技術が向上してきた歴史的経緯があります。
    前述したように、ヨーロッパやアメリカが先進しており、その後に日本が続く印象ですが、最近では日本のコマ撮りも、クオリティの高い作品が増えていると感じます。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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