サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
現状打破の切り札!あなたの知らないリケジョ人材の魅力大公開

開催日: 2023年9月28日

○活動の主旨、目的○
日本の女性は、数学や化学において能力は世界でトップレベルにもかかわらず理系分野に進む人は少ない。しかし、理系分野の仕事に女性が入ることでコミュニケーションやチームワークを武器に周囲を巻き込みながら成長を促し、世の中の様々なニーズを確実にカタチにすることができると考えられるため、もっと女性がこの分野に参画し、よりベストなチームでものづくりに取り組めばオーサムなイノベーションを世の中に届けられるのではないかとのこと。このことから、将来性別関係なく理系に進むことが当たり前で、ニーズやアイディアを持続的にカタチにしていけることが当たり前な日本にしたいとお話された。
また、AWESOMEの野望としてハイクラスリケジョの育成と拡散を目指していることにも触れ、理系エンジニアの方にこそ人材育成、組織づくりをしていただきたいと呼びかけられた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

西岡 幸子 氏
Awesome! 代表

理系分野のソーシャルビジネスに本気で挑むエンジニア出身の女性起業家。P&Gで技術系総合職としての19年間の経歴を活かし、「リケジョが持つ魅力を可視化し、課題を価値に変えていきたい」との思いからリケジョ事業AWESOME(オーサム)を立ち上げる。またGallup社認定ストレングスコーチとして、企業向けに国内外含め延べ1300名以上の「強み開発」にも携わる。中学生&高専生2児の母。第9回LED関西ファイナリスト。

ナレッジドナーインタビュー

  • 世界的に見て日本にリケジョが少ない具体的な原因は何でしょうか?
  • たくさんありますが、ここでは3つほど紹介したいと思います。
    1つ目は、子どもたちを取り巻く環境です。育った家庭に理系出身者がいないと、文系の進路を勧めがちです。(その逆に育った家庭が理系出身者の場合、子どもも理系に進む割合が高いことが内閣府のデータからもわかっています)塾や学校の先生も、進路選択の際、成績や偏差値に基づいてアドバイスしてしまいがちです。理系選択には理数系ができて当たり前というなんとなくのイメージから本人の興味があまり重視されない進路選択の環境が大きく影響していると思います。親でも学校や塾の先生でもない第三の存在として、私たちに何かできないか、探っているところです。
    2つ目は、理系の仕事の認知度の低さです。先日、理系の女子高生たちに「理系の仕事といえば?」と尋ねた際、「医者」や「薬剤師」などの答えしか出て来ず、認知されている理系の仕事の範囲が狭い印象を受けました。実際に理系の仕事は、モノづくりの裏側ということもあり、表面的には見えにくいものの、アイディアを具現化するという非常にワクワクする部分を担っています。こんな素敵な理系の仕事とそこで活躍する女性を知ってもらうことが重要だと思います。この部分は、私の事業を通して積極的にかかわっていきたい部分の一つで、現在「AWESOME Choices」と題して、さまざまな理系女性のストーリーを紹介しています。
    3つ目は、幼少期の頃から潜んでいるジェンダーバイアスです。その例に子供向けのおもちゃを見てみるとわかりやすいと思います。例えば、男の子は電車のおもちゃで、女の子は人形で遊ぶということを想定したおもちゃの設計になっていたり、周りの大人たちが無意識にそういうおもちゃを提供している部分はないでしょうか。子どもの頃に触れていたものや興味関心が、その後の進路・キャリアに大きく影響を与えているということが、多くの理系女性へのインタビューを通して見えてきました。幼少期にジェンダーにとらわれず様々なことに触れることは理系文系関わらず、これからの時代より重要になってくると思っています。例えば、女の子も興味が持てるような電車のおもちゃのデザインがあるだけでも、理系に興味を持ってもらうきっかけの一つにすることができるのではないかと思っています。子育て中のワーキングリケジョママも多くいる私たちだからこそ、なにかアイディアをカタチにすることができないかと考えているところです。
  • 今後、リケジョ人口が増えると日本はどのような社会になると思いますか?
  • 今よりも、もっと人に優しく、笑顔になる人が増える世の中になると思います。
    作る側の女性の割合が少ないということは、使う側のニーズがまだ反映されていないということを示していると思います。純粋にこの部分は伸びしろで更なるイノベーションの可能性だと考えています。乗用車で足をかざすとスライドドアが開く機能は、子どもや荷物を抱えた状態でドアを開けられない女性の実体験から開発されたものです。単なる女性の視点や感性によるものだけではなく、ともすると見過ごされがちな多くのニーズや課題に寄り添い、アイディアを拾い上げ、それらを形にして世の中に届けることができると私は確信しています。そんな未来に一歩でも近づいていけるよう、これからもAWESOMEとして取り組んでいきたいと思っています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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