サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
SNS依存の心理的メカニズム -SNS疲れを起こしやすい人と解決法-

開催日: 2023年12月7日

○活動の主旨、目的○
SNS依存はギャンブル依存などと同じプロセス依存の一種で、SNSによって一時的に苦痛が和らぐという体験を重ねることで依存が強まる。また身体的な症状としてあらわれにくいため、かなり深刻になってから顕在化する。
SNS依存は自尊感情の低い人、神経症傾向の人や解離傾向の人がなりやすいといわれており、他のプロセス依存とは違い他者との関わりが原因でなるもので、相互作用による影響もある。
その例として挙げられるのがLINEの既読無視。既読無視場面を扱った実験では、無視された人が無視した人に対する印象が、無視した人が思う相手が抱くであろう自分の印象ほど悪くないという結果が出たとのこと。
相手から何か反応があれば返さなければいけないという心理が働いてしまうが、自分が思っているほど相手はさほど気にしていない。自分が勇気をもって終わらせることができればもっと楽になれるのではないかとお話された。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

綿村 英一郎 氏
大阪大学人間科学研究科 准教授

神奈川県横須賀市出身。東京大学文学部心理学専修課程卒業。
公務員として4年間勤務した後、東京大学大学院人文社会系研究科に進学。
2012年4月に博士号を取得(心理学)。
慶応義塾大学研究員、東京大学助教を経た後、2017年4月より現職。
現在、法と心理学会常任理事。専門は、法心理学、社会心理学。
2009年国際学会にてPaper Awards受賞。
趣味は廃線巡りとお香。
2018年に脳出血で車いす生活になりかけたが、心理学のスキルを自らに応用してリハビリを行い回復中。

ナレッジドナーインタビュー

  • 刑事裁判を研究する中で、児童虐待防止のための啓発マンガを自ら制作されようと思ったきっかけは何ですか?
  • 「児童虐待をなくしたいという想い」が一番ですが、自分自身がマンガ好きというところが大きいです。普段からよくマンガを読むので、マンガに適したストーリー構成を考えることができました。啓発マンガを広く一般に公開して、児童虐待をなくすためにはどうすべきかを、たくさんの方に考えていただく一助となれば嬉しいです。
  • SNS疲れを起こさないようにするためには、メッセージのやりとりから”一抜け”することが大切とのことでしたが、そのコツはありますか?
  • とにかく気にしないことです。「こういう風に話を終わらせたら相手はどう思うだろうか。」と考えてはいけません。仮に自分が受け取ったメッセージを既読無視したとしても、するほど既読無視されたことをそこまで気にしません。これは実験結果からも分かっています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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