サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 人材をコピーできる技術とは?デジタルクローンで代替できるミライ
開催日: 2024年2月1日
○活動の主旨、目的○
伊藤氏は愛知産業大学でスマートデザイン学科を開設し、「感情を持ったAI」の実現に取り組んでいる。
今回ご紹介いただいた「Thinkeye(シンクアイ)」は、ChatGPTとは異なる対話型AIで、「ヒト模倣AI」と呼ばれています。これは人間の思考や振る舞いを模倣し、さらには気遣いまでできる「ヒトに寄り添うAI」との事です。
伊藤氏はデジタルクローン生成と活用に関する多くの特許を持ち、専門知識や価値観、ノウハウに即座にアクセスできる世界を目指しています。今後、弁護士、著名人、経営者、トップセールス営業マン、美容師など、さまざまな分野でのクローンが手軽に実現可能だと語られました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
伊藤 庸一郎 氏
国立大学法人大阪大学大学院 人間科学研究科 特任教授
株式会社realis 代表取締役
博士(工学),株式会社ソラ・ユニバーサルアーカイブス代表取締役(2000年〜),株式会社realis代表取締役(2018年〜),日本福祉大学情報社会研究所准教授(2000年〜2010年),大阪大学大学院工学研究科セキュアデザイン共同研究講座特任教授(2005年〜2016年),愛知産業大学造形学部スマートデザイン学科教授(2016年〜),大阪大学大学院人間科学研究科教育デジタルクローン共同研究講座特任教授(2022年〜現在),デジタルクローン生成駆動プラットフォームThinkeyeを開発・製品化・販売.多業種企業(教育,医療,福祉,芸能 など)にてローンチが始まっている。
ナレッジドナーインタビュー
- AI研究に興味を持ったきっかけはありますか?
- ウィリアム・ギブスンの『ニュー・ロマンサー』を始めとしたサイバーパンクなSF作品を読んできた影響は大きいです。それに加えて、私自身がひとりっ子でかつ両親もいないという環境で幼少期を過ごしたことで、猫や犬ではなく「ドラえもんのような話せる相手が欲しい」という欲求が強かったこともあります。私のような環境で育つと人を相手にどう立ち振る舞えばよいのかが分からなくて、学校に行ってもどこに行っても周りから人がいなくなってしまうんです。だからこそ、欲しいなと思ったもの(=ドラえもん)を作りたくなりました。ドラえもんと言っても四次元ポケットから役に立つ道具を出してくれるドラえもんではなく、「この学校に行った方がいいよ」「これを買った方がいいよ」と言って、私のそばに寄り添ってくれるドラえもんをつくりたいなと思ったんです。そんなひとりっ子で育ったがゆえの死活問題も、AI研究に興味を持つきっかけになりましたね。
- Thinkeyeのアピールポイントをお聞かせください。
- お手軽に映像で自分のそっくりさんが作れます!著作権等の問題が絡んでしまうので一般利用は難しいところではありますが、例えば、Thinkeyeに漫画を読み込ませれば漫画に登場するキャラクターのクローンを作ることができてしまいます。本校の学生が試してみたところ、ある漫画では3巻までの情報量でクローンを作ることができて、キャラクターのクローン同士での会話も可能だったそうです。内容がしっかりと作り込まれた小説や映像でも、Thinkeyeを使うことでデジタルクローンができてしまいます。人間相手ではそうはいきませんが、例えば業務に関するデジタルクローンを作りたい場合は業務の記録そのもので作成することができますし、カンファレンスの記録内容でデジタルクローンが完成してしまうこともあります。デジタルクローンがお手軽過ぎて、“IT屋さん殺し”なんて言われてしまうのですけどね(笑)
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。