サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 古民家×メタバース -バーチャル観光をめざしたanywhere cafeの取り組み-
開催日: 2024年2月15日
○活動の主旨、目的○
「旅の気分を味わえる、どこでも行けるどこでもカフェ」というコンセプトで立ち上げたanywhere caféは、昨年、メタバースで1号店がオープンしたのち、住之江にある古民家を改装してバーチャルとリアルの両方を体験することができるカフェとしてオープンした。
旅行の疑似体験できるバーチャル観光(=行かない観光)は観光地のPRになるだけでなく、ユニバーサルツーリズムやオーバーツーリズムなどの社会課題の解決にもつながると考えられ、今後「行かない観光」が旅行の概念を変えるイノベーションとなるのではないか。
「行かない観光」という新たなビジネスモデルを作り、2025年の万博で「地方のプレミアム体験ができるカフェ」がコンセプトのanywhere caféをオープンすることができれば、バーチャル万博において事前に体験館のことや日本の良いところを知っていただき、オーバーツーリズムにならないような取り組みをしたいとお話された。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
小柴 恵一 氏
株式会社 G1 company代表取締役 CEO
公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)関西事務局 事務局長補佐/DXアドバイザー
1989年 松下電器産業(株)(当時)に入社、以降、家電メーカーの視点から、コンテンツ・サービスへのイノベーション事業立ち上げに取り組み、世界初のDVDデビューソフト企画担当、デジタルBSデータ放送によるインタラクティブテレビサービスシステムの運営責任者等を歴任
2021年 7年弱の東京2020組織委員会への出向期間中に、史上初(※東京2020組織委員会調べ)の全国8拠点のプラネタリウムをつなぎ、臨場感スポーツLIVE配信をプロデュース
同年 9月末にパナソニック(株)を退職、10月8日にG1 companyを起業
2022年 日本国際観光映像祭 バーチャルツーリズム部門 実行委員会 事務局長に就任(2023年 任期満了)
2023年 日本パブリックリレーションズ協会 関西事務局 事務局長補佐/DXアドバイザーに就任、その他、和歌山大学 非常勤講師・客員フェローを務め、在籍中
ナレッジドナーインタビュー
- 古民家にこだわった理由はありますか?
- もともと、古民家カフェが好きだったことが理由の一つです。古民家はそれ自体が昭和的なコンテンツだと思っていて、海外の方には屋内にある畳敷きやこたつなどといったもの自体が日本の文化として認識していただけます。本日お話しした、旅の気分を味わってもらうための3つの要素、「飲食」「体験」「VR」のうちの「体験」の部分を、古民家という場所自体で提供できると考えています。また、古民家×VRの組み合わせは意外性もあり、VR事業のショールームとしても活用できることから、一挙両得でした。大阪は残存している古民家が少ない土地なのですが、そんな中で今の物件に奇跡的に巡り合うことができたということも「これはやるしかないかな!」と思った理由です。
- 事業を進めていく中で苦労したことや失敗したことについてお聞かせください。
- カフェの話でいうと、これまで飲食業の経営をしたことがなく、営業許可申請を出すところから、何をするにも慣れないことだらけで、ずるずると時間を使ってしまいました。VR事業を大きく発展強化しなければならない中、一方ではカフェのメニューをどうしようか、どんな備品を買う必要があるのか、ぜんざいの値付けはどうすればいいんだろう、といった異なるレベル感の物事を二刀流で両立させて動かなければならず、苦労しました。そんな中で対応が想定よりも遅くなり、カフェのプロモーションができずじまいで、なかなか来客数が増えないという失敗もありましたね。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。