サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
経営者・松下幸之助―生誕130年の研究最前線

開催日: 2024年3月28日

○活動の主旨、目的○
松下幸之助著『道をひらく』は、PHP研究所の創設以来、最も多く発行されたビジネス書とも言われ、累計発行部数564万部のベストセラーとして今も売れ続けています。 今回の木曜サロンでは、松下幸之助がこれまで出版した「道をひらく」や「実践経営哲学」や経営者との対談内容をもとに、松下幸之助が考える経営哲学についてお話をいただきました。
最近では、松下幸之助の経営哲学を現代の経営者に広く伝えるべく、多くの研究者とのコラボレーションも重ねており、書籍以外のコンテンツ制作にも挑戦されています。 経営を学べる「松下幸之助〈理念経営〉ゲーム」の開発や、日本初の経営者生成AIの開発などを行っているとの事。 生誕130年たった今でも色あせない経営哲学に学びの多い一時間となりました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

渡邊 祐介 氏
株式会社PHP研究所 経営理念研究本部 取締役 執行役員

1963年、大阪府生まれ。1986年、筑波大学第三学群社会工学類卒業後、株式会社PHP研究所に入社。出版部編集者として活動ののち、2003年に大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、修士(経済学)取得。以降、研究員として活動し、松下幸之助を始めとする日本の名経営者の経営哲学、企業家精神ならびに企業における理念形成、浸透の研究に取り組む。現在PHP理念経営研究センター代表。立命館大学非常勤講師。企業家研究フォーラム幹事。電子雑誌『[実践]理念経営Labo』発行人。

ナレッジドナーインタビュー

  • 松下幸之助氏の言葉の中で最も印象に残っているものはありますか?
  • 個人的にとても重要な言葉だと感じているのは「素直な心」と、彼の人生観でもある「人間としての成功」という言葉です。あなたは一番の成功者だと周りから言われてきた彼は、「自分は確かに成功者かもしれないが、一般の社員達は成功者ではないのか?」という疑問を持ちました。万人に共通する成功とはどういう意味なのかについて考え、成功とはその人なりの天分を活かすことだという結論にたどり着きました。実は経営学者のドラッカーも松下と同じ思考を持っていて、「君は何によって憶えられたいのか」と問いかけています。二人とも人間本位なのです。
  • 今後の研究計画についてお聞かせください。
  • 現在は、松下幸之助の経営哲学の意図した点を最新の経営学、心理学、脳神経科学の面から考証、分析して、現代的なメソッドに活かすことを試みています。松下幸之助のボードゲームを制作したのもチーム内の関係の質を高めるツール開発の一つでした。最先端の試みとしては、教育用の生成AI、いわゆる「松下幸之助版ChatGPT」の開発に取り組んでいます。1960年にボイスレコーダーが開発されたとき、松下は種々の機会で自分の音声を録音する指示を出し、膨大な音声データが残存しています。そのデータは従来も商品企画に活用されて来ましたが、今後は新たな教材制作にも生かせると思っています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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