サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
子どもに教えられる?大人のためのネットコンプライアンス入門

開催日: 2024年4月18日

○活動の主旨、目的○
山本氏は子供を持つ親が人権・法律・お金をきちんと教える機会が少なく、ネットなど間違った情報の中から正しい情報を見分けるポイントを知ってほしいとの思いのもとから「子供コンプライアンス」を執筆された。情報の受け手、送り手として大人も子供もリテラシーが必要であると説き、ネットに大量に出回るフェイクニュース、アンフェアな広告、犯罪被害につながるダークな情報の実例に触れながら、見極めるポイントをお話しいただいた。また、子供を導く大人としてのリテラシーの大切さとその秘訣4つについてお話しいただき締めくくられた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

山本 一宗 氏
株式会社CompLabo(コンプラボ)代表取締役
元・読売テレビコンプライアンス総括責任者
鳥取大学医学部附属病院コンプライアンスアドバイザー

関西学院大学卒業後、1988年読売テレビ入社。記者・デスクや「情報ライブ ミヤネ屋」 「ウェークアップ!ぷらす」担当など長く報道局に在籍。2019年に考査部門に異動し2021年からはコンプライアンス総括責任者として社全体の危機管理・考査判断を指揮。また日本民間放送連盟の委員として9年ぶりの放送基準改訂作業などに従事する。昨春、コンテンツ・広告等の法令遵守支援、ネット情報リテラシー啓発講演や倫理研修などを行う株式会社CompLaboを設立し独立。

ナレッジドナーインタビュー

  • 新たな手口の詐欺や虚偽投稿を見極めるために気を付けるべきことはありますか。
  • 新しい手口が何かにもよりますが、情報の多くは最終的に映像や言葉、文字表現といった手段で私たちに届くので、それらに対しすぐに反応せずに「立ち止まって考える癖」をつけるしかないと思っています。AI技術の進化でフェイクの画像や文章(記事)が増え本物かどうかを見抜けなくなったり、動画ですらも真実性が担保されなくなってきています。こうした情報が真実かどうか、信頼できるかどうかが分からない時に、「ここだけに気をつければ大丈夫」といった簡単な対策は恐らくありません。どんな手口があってどんな問題が考えられるのか等といった情報を、自分で集めてアップデートして身を守っていくしかないのです。1年前と比べただけでもAIを使った、大手新聞社を騙った新しい詐欺広告が出現するなど手口は進化していますし、その見抜き方や騙されないための注意点が何なのかについてはその時々で信頼できる情報源から最新の状況を集め、考えていくしかないと思っています。
  • 今後どのような層に対し、アプローチを行っていく予定ですか。
  • 本日は親・保護者世代にフォーカスを当てて講演をしましたが、小さな頃からインターネットに触れてきたお子さんの方がネットリテラシーが高く、元々デジタルネイティブではなかった大人の方が弱いようなご家庭も少なくないと思っています。誰もがこの先何十年とインターネットと付き合っていかなければいけない社会であることを考えると、幅広い年代層の方々にアプローチしていきたいと思っていますが、大人になってから新しいことを学ぶということに抵抗を感じてしまう方も多々いらっしゃいます。そのような方に向けては「お子さん・お孫さんを守るため」という切り口からアプローチをしていきたいですし、本日お話ししたように、デジタルネイティブではあるけれども金銭感覚や倫理観、リスク予測のスキル等といった側面で弱い部分がある青少年や若年層に対しても「人として大事なこと」をきちんとお伝えしていきたい、といった両面の想いがあります。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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