サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
問いで、世界とつながる。Question X〜純粋な問いへの好奇心が教育を変える〜

開催日: 2024年5月9日

○活動の主旨、目的○
探究型の学びを届けてきた教育と探求社。カードゲームを元にした新プログラム「Question X」の一部を体験しながら、感じたことを共有する場となった。社会はITなどの変化に柔軟に対応するのに対して、学校現場はなかなか追いついていないのが現状と訴えた。成長を平面で捉えた時に横の水平方向と縦の鉛直方向で表すことができ、横の学びは目に見えやすい資格などのスキルを伸ばすこと、縦の学びとは主体性などの目に見えにくい力を育てることであり、Question Xは社会に必要な縦のスキルを伸ばすことを目的としたプログラムである。プログラムを体験することで、先生と生徒が一緒に問いを考えることの楽しさを知り、目線を揃えていくことが越境学習の実現と語った。これからの教育は先生だけでなく産官学連携を測りながら育てていきたいと締めくくった。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

宮北 純宏 氏
株式会社教育と探求社 大阪営業所 所長

奈良県にある私学西大和学園で充実した教員生活を過ごす。学年部長、進路統括室長、そして入試企画部長として、学校のさまざまな運営に携わる。特に、生徒だけでなく、地域社会や企業とも積極的に連携を取りながら、学びの共同体を形成することに尽力した。
教育者としてのキャリアを積んだ後は株式会社教育と探求社で大阪営業所を開設し、地元教育委員も兼任しながら公教育の仕組みを学びながら産官学の枠を超えた教育改革に取り組む。

ナレッジドナーインタビュー

  • QuestionXに意欲的に取り組んでもらうための工夫について教えてください。
  • QuestionXでは6コマあるプログラムのうち、始めの2コマが本日ご紹介したカードゲームになっています。テーマに沿って設定した問いに対しグループ全員が答えを付箋に書いて提示して、その中から最もよかったものに投票するのですが、この答えに決まった正解はありません。見方を変えれば別の答えもまた正解になるという部分がポイントになっています。人ではなく付箋を指さすようにすることで過度な競争を避ける工夫もしています。そしてゲームの最後には面白い問いに対しても投票を行い、得られるポイントを3倍にすることで革命のような事が起こるようになっているのです。それまでの答えを出すことに価値があるというマインドをチェンジさせることで、「答えが出なくても問いがあれば良いんだよ」というメッセージを伝えることができるようになっています。
  • 貴社の提供する教育プログラムがこれからの社会にもたらす変化についてどのような期待を持たれていますか?
  • クエストエデュケーションはやりたい子だけがやるプログラムであってはいけないですし、我々が講師となって子どもたちに提供するものでもないと思います。まずは学校の先生に授業としてプログラムを実施していただいて、その先生方のサポートを我々が行うようにしています。教室に沢山いる食わず嫌いの生徒が、「やってみたら面白いやん」「こういうのが得意やったわ」と気がついて好きになるという事が起こる環境が学校だと考えています。先生方もプログラムを通じて新たな教育観を得ることができます。また、このプログラムは想像的な力で交流ができるため、学年の違いや国籍の違い等といった様々な肩書きを一旦下ろしてひととして一緒に学び合える場になるのではないかとも思っています。教育で大事なことは意識変容をどれだけ起こすかだと考えていますが、学校の授業は知識優位で「分かる、出来る」といった取り組みがに多く、「やりたい」を育てることができていません。「わかる、できる、そして意識変容を起こす」ことを探究学習であるクエストエデュケーションは可能にします。このプログラムを受けた生徒が社会に出て、いずれ企業側のプログラム経験者として学校教育の現場に戻ってくるといったクエストエデュケーションの循環を通じた学び合いの渦が今後大きなうねりを起こしていくことを期待しています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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