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サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
デジタルツイン遠隔PC操作溶接ロボット『WELDEMOTO』開発!

開催日: 2024年5月16日

○活動の主旨、目的○
クリスフランシス氏:人と人を遠隔でテクノロジーを使って繋げる、それを通じて新しいリノベーションを作っていくということをテーマにしている会社。デジタルツインの空間にアバターを浮かして歩き回れるようにしたらよいのではということでアバターツインというシステムを開発し、提供。遠隔コミュニケーション技術と産業用ロボットを組み合わせて追及して作ったのが『WELDEMOTO』

高丸氏:人が誰でもできる作業ではなく、技術を要する溶接作業を遠隔でできるようにしたいというのを最初の構想とし、『WELDEMOTO』開発。現場作業が難しい人でも短時間で技術取得が可能であったり、異なるロボットメーカーでも操作方法が変わらないというメリット、通信環境が整うことで自宅や事務所からオンラインでの溶接が可能。『WELDEMOTO』の意味は「ウェルディング」と「リモート」の造語。パソコン業界の歴史は、ロボット業界の未来と考えている。ロボットの扱いを劇的に簡単にして、メーカーごとの差をなくす開発をした会社がロボット業界を牛耳るだろうと考えていた、等お話されていた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

高丸 泰幸 氏
高丸工業株式会社 専務取締役

1992年西宮市生。大学では主に中小企業経営について、特に技能及び経営の承継を中心に学習。学業優秀の評価を得て、高校大学共に首席で卒業。高丸工業(株)へ入社後は、自らも組立作業やロボットオペレーションを行う一方で、(株)三井住友銀行での経験も活かし、経営企画全般を統括する業務を行う。人材育成や顧客の補助金取得を含めたサポート等、自社や時代の変化に合わせて様々な取組を積極的に実践している。

クリストファーズ・クリスフランシス 氏 
iPresence株式会社 代表取締役社長 / ArchiTwin株式会社 代表取締役社長

1980年生まれ (神戸市)。14歳に家族で渡英。19歳の時にインド南部で障害者の子ども支援のボランティアとして3ヶ月間過ごす。シェフィールド大学(英)建築学部を卒業し建築設計事務所で設計士、デザイナーとして勤務。その後、米大手IT企業の関西支部立ち上げ、全国営業統括などを経てテレロボットに乗り移っての斬新なテレポートコミュニケーションサービスに特化したiPresenceを2014年設立。アバター開発提案の世界大会、ANA Avatar XPrizeセミファイナリスト。 2019年にデジタルツインを活用した遠隔建築現場管理プラットフォームを開発し、ArchiTwin株式会社に出資、設立し現在代表を兼任。現在、最先端技術を活用した新たなコミュニケーションスタイルを広める為に邁進中。

ナレッジドナーインタビュー

  • WELDEMOTOの開発にあたり苦労したエピソードがあればお聞かせください。
  • 髙丸氏:私の立場でお話します。私自身は複雑なプログラムを組むようなことはあまりせずにどちらかといえば各研究者の橋渡し役をメインにしていたのですが、先方とこちら側の意見が食い違うことが多々あって苦労しました。自ら望んで担当した役割とはいえ、全く異なる分野の専門家の意見を一つのゴールに向かうように調整していくことは非常に大変でした。
    クリスフランシス氏(以下、クリス氏):一番大きな衝突は、システムの方向性をガラッと変えた時でしたね。
    髙丸氏:本日も少しお話しした、引続き自由視点映像を頑張っていくのかどうするのかを検討した時期ですね。確かに大きな転換期でした。最終的に弊社の社長が決断して私も同意したうえで面舵を切ったのですが、あれがなかったら溶接をできるまでには至らなかったでしょうね。
    クリス氏:開発当初の目標はかなり高いものでしたが、そこから精査してやりたいことは最低限できる段階にまで持っていくことができたと思います。
    髙丸氏:始めの数年間の開発が無駄だったのかといえばそんなことはありません。今この段階にまで至ったことによって、あの時の開発はこうやったら上手くいくのではないか?といった議論が実は現在進行形で進んでいます。自由視点映像についても諦めている訳ではなくこれからも育てていきたいなと思っています。
  • 今後の展望についてお聞かせください。
  • クリス氏:我々はサービスロボットも開発していてそちらの方が目立つ存在ではあるのですが、世の中に普及しているロボットのほとんどは産業用ロボットであり工場や生産設備の中で稼働しています。日本のロボット技術は今でも世界一です。そこに我々のような企業が横串を通すように新しい技術を付加することで、例えば日本にいながらにして海外に配置しているロボットを遠隔操作することができるようになればかなり画期的なのではないでしょうか。まずは日本からのスタートになるかと思いますが、一旦上手くいけば世界中から求められる技術になるだろうと考えています。

    髙丸氏:クリス社長が言いたいことを全て話してくれましたね。重ねての話しになりますが、現在のロボット市場は大企業が95%で、残りの5%が中小企業だと言われています。実は2000年代頃から現在にかけて、日本国内におけるロボットの出荷台数はほぼ横ばい状態なのです。これは大企業の入れ替え事業でしか数字は動かないということを意味していて、そこにメスを入れることができれば出荷台数は20倍ほど増えるのではないかとも言われています。我々はそこを狙っていきたいと考えています。また、本日の講義でクリス社長も仰ったように、2000年頃までは世界市場における日本製ロボットの出荷率が7割を締めていましたが、現在は5割ほどに落ちています。とはいえ、世の中にある産業で世界中のシェアの50%が日本製というものはなかなかないことですよね。だからこそ、今後も絶対にロボット業界は日本が中心となっていかなければいけないし、我々の開発したWELDEMOTOの使い方がグローバルスタンダートとして世界に定着するように展開していかなければならないと強く想っています。これについては弊社の社長がよく言っていることでもあるので、敢えて強めに言及させていただきました。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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