サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
銭湯跡地からの再生 -大阪発!日本初ビール工場-

開催日: 2024年5月30日

○活動の主旨、目的○
ワインや日本酒とは違い、ビールは選択肢が限られていることに違和感を覚えたことをきっかけにビール会社を立ち上げた志方氏は、建物が頑丈で給排水の能力が高く濡らしてはいけない場所がない、ビールを造るにはメリットの多い銭湯跡地をリノベーションし、ビール工場を設立。創業当時から、オリジナルビールを造りたい企業や飲食店の手伝いをすることに力を入れている。
また、上方ビールは麦芽の絞り粕を飼料・肥料として提供したり、焼き菓子を作る工房と連携して商品の開発をするなどし、都市型の工場ならではの産業廃棄物の問題にも取り組んでいる。そして、この取り組みが雇用創出にもつながっているとのこと。雇用創出のチャンスが多く外国人観光客を呼び込めるビール工場。現在、地方の廃業したパチンコ店をビール工場にする計画を進めており、地域の活性化につなげていきたいとお話された。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

志方 昂司 氏
株式会社 上方ビール 代表取締役

24歳で3坪の小さな立ち呑み屋を開業。韓国料理、BAR、カフェと他店舗展開したが、それぞれ業態の違う飲食店なのに、ワインや日本酒のように食事や地域にこだわったビールが少ないことに違和感を覚え、ビール会社を興すことを決意。1年間の完全無給の修行期間を経て、2019年に大阪市内に日本初となる銭湯跡地をリノベーションしたビール工場(株式会社上方ビール)を設立。
「ビールに新しい選択肢を」という理念を掲げ、オリジナルビールのOEM受注を積極的に行う傍ら、ビール会社の立ち上げコンサルタントや醸造指導・セミナーなど、クラフトビールに関わる多岐に渡るビジネスを生業にしている。

ナレッジドナーインタビュー

  • 「銭湯を改装したビール工場」ならではの楽しさや面白さについてお聞かせください。
  • 工場に訪れた地元住民の方から、かつてこの銭湯に通っていた話や何番のロッカーをいつも使っていたといった話が聞けると面白いですし、銭湯跡地ならではのことだなと思います。土曜日と日曜日は元女湯のスペースを昼から夜まで開放しているのですが、こちらから提供するのはビールのみで食事の持ち込みは自由にしています。近隣に元気のある商店街もあるのでそこでアテを選びながら来てもらって、ビールと一緒に楽しんでもらえるようにしていますよ。各々が持ち寄ったアテをお客様どうしで交換している光景は銭湯でいうところの「裸の付き合い」に近い感覚で、かつての町の交流の場であった銭湯の役割を形を変えて継続できているのではないかなと思っています。
  • ご自身の思う「一番美味しいビールの飲み方」をぜひ教えてください。
  • 僕の原体験でもあるのですが、やはりたくさん汗をかいた後に飲むビールが一番美味しいですね。いわゆる一般の瓶ビールや生ビールは実は刺身などのアテとはあまり相性が良くなくて、食べ物と組み合わせるよりは運動などで身体がカラカラになった状態で飲むことに最も適したビールだと感じています。一方で現在のクラフトビールは味に多様性があるので、例えば刺身なら小麦主体のものや乳酸発酵させたものと相性が良いなど、ペアリングの楽しみも広がります。コース料理の最初から最後までうちのクラフトビールでペアリングする、といったことも可能です。とりあえずビール!とは異なるクラフトビールの楽しみ方の可能性をもっと提示していきたいと思っています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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