サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 全国のこども食堂を支援 ~誰もとりこぼされない社会づくり~
開催日: 2024年7月25日
○活動の主旨、目的○
こども食堂は、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂で、「地域食堂」や「みんなの家」など、こども食堂という名前以外で運営されているところも数多くあります。その目的はさまざまで、子どもの食事提供や居場所づくり、ひとり親家庭の支援、多世代交流、地域づくり・まちづくり、生活困窮家庭の支援など多岐にわたり、全国で約9000箇所が稼働しています。
「むすびえ」は全国の地域ネットワーク団体と連携し、こども食堂の実態調査や助成金、伴走プロジェクトを通じた資金・非資金的支援を行うNPOです。
今回の木曜サロンでは、子ども食堂の現状や課題を共有し、他の子どもたちと一緒にご飯を食べることで偏食を克服できたことや、不登校の解消、高齢者の健康促進、子どもたちに食事を作ったり昔遊びを教えることで居場所が生まれ、孤立する高齢者が減ったといった具体的な成果を挙げつつ、こども食堂の重要性と活動の継続・拡大についてお話しいただきました。会の後半では、地域において資源(人や物資、お金)を地域で循環させるためのアイデアを参加者へ呼びかけました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
飯田 ひとみ 氏
特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 案件形成・事業企画
香川県坂出出身、徳島文理大学薬学部卒業。現在 箕面市教育員会、特定NPO法人 むすびえ(全国子ども食堂支援)に在籍。地域活動も積極的に取り組む。箕面市において「子ども食堂・今宮子ども食堂」「こどもの都市・Mini Mi~no」の代表として活動。次世代への恩送りとして社会実業家を目指します。趣味は着物を着て文化を楽しむことです。
中谷 純 氏
特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ ディレクター
兵庫県出身、関西大学社会学部卒業。証券会社やベンチャー企業を経て、鉄道会社、メーカーなどで新規事業開発を務める。新規事業開発の中で地域にプログラムを提供するソフト方面のまちづくりに関わり、その時の想いをきっかけに2023年からむすびえに参画。こども食堂を支援する地域ネットワーク団体との協働や、むすびえの伴走力を向上させるプロジェクトを主に担当。趣味はスパイスカレー作り。
ナレッジドナーインタビュー
- 国内には9,000カ所を超える子ども食堂があるというお話しでしたが、地域ごとに異なる特色等はありますか?
-
中谷氏:子ども食堂の設置箇所数に関しては、東京都、大阪府、兵庫県辺りがとても多いです。活動内容は地域差というよりは運営主体によって異なる部分もあるため、具体的な違いを我々が全て把握できているわけではありません。一般的な傾向として、子ども食堂は西高東低と言われており、地域ネットワーク団体の活動がほかの地域に比べて活発だと言われている西日本は、子ども食堂の支援にも熱心な地域が多いです。活動する団体の母体は様々で、例えば社会福祉協議会や地元企業、一般社団法人のほかに任意団体もあります。
西日本は、各々の活動母体もそうですが、そこで働かれている方々の中にも子ども食堂に熱い想いを持つ方が一定数いらっしゃることが多く、それが支援に熱心である理由の一つだと考えています。それに加えて、行政機関を巻き込んで支援の環境を整えるための働き掛けの部分で、活動を推進してくださる地域のキーマンの方の力が強く影響しているのではないかと思います。 - サロンではどのような方々との交流を希望されていますか?
-
飯田氏:居場所にはリアルな空間だけでなく、さまざまな形があると思っています。今の子どもたちは、家にいながらオンラインで周りとコミュニケーションを取るほうが得意な気がするので、「地域活動です」「子ども食堂です」といった「現場」という狭い枠にとらわれず、様々なジャンルの人々と知り合うことができる新しい居場所や、新しいことを創り出していきたいと思っています。
子ども食堂”プラスアルファ”のアルファの部分で協働できるものがあるような、大阪らしく新しいものを作っていくために、分野を問わず柔軟な発想を持った方々と交流していきたいです。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。