サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 知っておきたい癌の話:抗がん剤治療と樹状細胞ワクチン療法
開催日: 2024年8月15日
○活動の主旨、目的○
今回の木曜サロンでは、がん専門の免疫細胞治療クリニックで副院長を務める軽部氏をお招きし、これまでに1000例以上の末期がん治療を行ってきた経験をもとに、癌の基本情報と治療法についてお話いただいた。
癌治療には手術、放射線、抗がん剤、免疫治療の4つがあり、それぞれに利点と欠点があり、抗がん剤は健康な細胞も攻撃するため副作用が多い一方、樹状細胞ワクチン療法は副作用が少ないことが特長とのこと。樹状細胞は癌細胞を見つけ、他の免疫細胞に攻撃を指示する役割を持ち、この療法では患者の免疫細胞を強化して体内に戻すことで、特定の癌細胞を効果的に攻撃するという。従来、ステージ4の癌は延命治療が主流でしたが、樹状細胞ワクチン療法は新たな治療選択肢として期待されていることをお話いただいた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
軽部 隆介 氏
医療法人 大樹会
埼玉県出身。祖父の肺癌闘病をきっかけに肺がんを治す外科医を志す。群馬大学医学部を卒業後、大阪大学病院の呼吸器外科に入職した。最先端のロボット手術を国内トップクラスのチームに所属し研鑽を積んだ。 しかし自身の持病の増悪で1年間の休職を余儀なくされ、外科医の道を志半ばで引退した。この闘病生活を経て、現代の働き方や予防医療の重要性を考え直すようになり、経営の道に進むこととなった。 現在は医療法人大樹会の理事長に就任し、小児専門の訪問診療クリニック2社を運営している。また東京では、がん専門の免疫細胞治療クリニックの副院長として、国内外で1000例以上の末期がん治療に当たっている。
ナレッジドナーインタビュー
- 自身や身近な人に癌が見つかった時、誰もが必死に情報収集をしてしまうと思うのですが、その際に気をつけるべきことはありますか?
-
基本的に、今目の前にいらっしゃる先生が誰よりも自身の患者さんの状態を良くしたいと考えていると思うので、まずは主治医の先生がお話しされることをよく聞いていただきたいなと、常に感じています。
より最先端の治療法や他の選択肢について知りたい場合は、「他にも治療方法はありますか?」と、先生に聞いていただければ、教えてもらえることも多いですよ。先生とお互いに歩み寄って、会話をしていただきたいです。
他の手段や情報を探すのは、先生が「専門外なので答えることができない」等と、素直に回答してくれたときに初めて選択肢に入れるとよいかと思います。 - 今後の展望についてお聞かせください。
-
私が思い描いているビジョンの一つに、「今元気に活躍している生産者世代や若い世代が、より長く元気でいられるようにする」というものがあります。具体的には身体作りです。
人間ドック等を受診するのも良いですが、もう一つのアプローチとして、リラクゼーションの観点から自身の身体の辛い部分を把握し、改善してもらいたいと考えています。
そしてゆくゆくは、改善効果の持続力を高くするためのフィットネスやパーソナルトレーニングの事業と並行して、身体作りの下支えとなる食事の個別指導や健康管理を医学的な観点からアドバイスできる、予防的な医療を提供していきたいと考えています。予防は医療というよりライフスタイルだと思っています。
幅広い業界のコミュニティが絡んでようやく成し遂げられるものだと考えているからこそ、現在私は医師を辞して、リラクゼーション事業の立ち上げから取り組んでいるところです。
今は若い世代も含めて、健康を人生形成の課題としている方が多いと感じます。そうした方々の支援もしていきたいですね。一人一人が元気であれば、消費活動も生産活動も増えて、日本の経済をより明るくできると感じています。予防の側面から日本を元気にする経営者として、長寿の国日本を経済的にも強い国にしていきたいというのが一番の野望です。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。