サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 可能性は無限大!高校生と大人がつなぐアイデアリレープロジェクト
開催日: 2024年8月29日
○活動の主旨、目的○
高校生と大人が、リレーを繋ぐようにアイデアを繋いで共創し、大人が高校生のアイデアを受け止めて発展させる「アイデアリレープロジェクト」という取り組みについてプレゼンテーションいただいた。
この取り組みは高校生が考えたアイデアをNPO法人がデータベース化し運用するもので、企業は利用料を支払うことでそのデータベースにアクセスし、その中にあるアイデアを採択することができる。
学生は自身のアイデアについて企業からフィードバックを受けることができ、また自身のアイデアが採択された場合、開発プロセスに関わることも可能だ。このプロセスを通じて学生の学びや意欲を増進させることができる。
また、企業にとっては高校生ならではのアイデアに触れられるというメリットがある。山口氏は「社会人になると社会ありきの発想になるが、高校生はある意味『自分本位』の面白いアイデアを持っている。
これが高校生の価値だと言える」と語った。
また、山口氏は手を動かしながら偶然の産物や自分自身の気づきをもとに考えを深めることが重要だと述べて、開発者視点を深掘りするための「6W3H」というフレームワークや、AIを活用したアイデア視覚化の取り組みについてご紹介いただいた。今後の展望としては、これらのノウハウを中学生や小学生、さらには教育者や企業にも広め、幅広い年代や分野の人々が、個々の創造力を引き出すような取り組みにしたいと語った。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
山口 敦士 氏
Creo Arts 代表
甲陽学院高等学校美術講師
1985年神戸市生まれ。京都市立芸術大学美術学部卒。大学在学中、神戸市にあるギャラリー&サロン“アビエスフィルマ”にて展覧会のキュレーション及び作品販売に従事。大学卒業後は甲陽学院高等学校にて美術科講師を務めながら、個人事業として教育者向けの研修や、企業研修に取り組む。また並行して株式会社トライブにて各種企画業務にも従事。2014年から2023年までナレッジサロンにて木曜サロンの企画運営と、コミュニティーやプロジェクトの組成、マッチングのコーディネートなどを担当。2020年からは日本文教出版株式会社顧問を務める。好きなスポーツはラグビーとテニス。
ナレッジドナーインタビュー
- アーティスト、美術教育者、プロジェクトの立ち上げと様々な経験をされているからこそ感じる、それぞれのやりがいや面白さはありますか?
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時系列で振り返ると、私は作品づくりがしたくて芸術大学に進学していて、一時期はアーティストとして活動していきたいと考えていました。そして、在学中に様々な人と関わっていく中で、私は「誰かを喜ばせたい」という動機で作品を制作しているということに気がつきました。
アーティストというものは、周りになんと言われようが「私はこれを作る!」と、我を通す強い気持ちが必要です。しかし私にはそれが無くて、純粋なアーティストにはなれないなと感じました。
作品づくりは面白かったですが、私には世間とアートの橋渡しができるような仕事のほうが向いていると思い、教育する側にシフトチェンジしました。
美術教育者としての活動は、目の前の生徒が「はっ」と何かを掴めた時の表情を見ると一番やりがいを感じますし、教えること自体も面白く感じています。
アイデアリレープロジェクトは、有難いことにこれまで様々な経験をさせてもらった中で、もっと世の中全体の役に立ちたいという発想の元に立ち上げました。現在も少しずつスケールアップしていて、面白さを感じています。
これまでの私の活動の軸は全て「人を喜ばせたい」という気持ちと「誰もやっていないことをやりたい」という気持ちにあるようです。 - ご自身の発想力はどのようにして培ってこられたのでしょうか。
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本日の講演でもお話ししたように、発想は「独自性、表現力、創造力」の順で積み上がっていて、創造力の基盤は自分らしさ(=独自性)にあると思っています。
「自分ってどんな人間だろう?」という疑問がまず始めにあって、その疑問を軸に何かに取り組み、その結果をもとに次の挑戦に進んでいくことが大事だと感じています。
突拍子もなく、なんとなく全く別のことをやってみるというよりは、今ある独自性をベースに、次の新しいことにチャレンジするように意識して、実践しています。そうしてたどり着いた現在地での取り組みやヴィジョンそのものが、結果的に唯一無二の自分の作品だと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。