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サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
ハプスブルク帝国の歴史から学ぶ現代の民族問題解決のヒント

開催日: 2024年10月10日

○活動の主旨、目的○
神聖ローマ帝国終焉から60年、1866年の戦争を経て、ドイツ世界はプロイセン的ドイツとハプスブルク帝国に分裂。ドイツ世界の盟主の役割から解放されたハプスブルク帝国は、オーストリア=ハンガリー二重君主国の成立とオーストリア国民の人権に関する基本法の制定をし、多民族国家として歩むこととなった。
多民族国家が直面せざるを得なかった様々な対立問題をどのように解決していったのか。今回はパリで活躍した画家ミューシャが生まれたモラヴィア地方のイヴァンチッツェに焦点を当て、少数派言語の小学校が設置されるプロセスを例にお話いただいた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

大津留 厚 氏
神戸大学 名誉教授

東京都世田谷区出身。
1976年東京大学文学部西洋史学科卒業。同年大学院社会学研究科国際関係論専修修士課程進学。
1978年同博士課程進学。
1979年~1981年ウィーン大学留学。
1985年、大阪教育大学教育学部に職を得て、関西に。
1990年からウィーンで2言語教育を実践しているコメンスキー学校で史料渉猟始める。
1995年阪神淡路大震災、中公新書『ハプスブルクの実験』刊行。
1998年神戸大学文学部(改組後、大学院人文学研究科)に、のち教授。
2017年退職し名誉教授。神戸大学の史学の教員たちは阪神淡路大震災後、史料の保存、活用に取り組む。その中で第一次世界大戦時、青野原(現加西市)にあった捕虜収容所の資料が発見された。そこに収容されていたハプスブルク帝国出身者の調査研究を進めている。
2008年、2019年にはオーストリアで展示会を開催し、捕虜たちが演奏した音楽の再現も行った。

ナレッジドナーインタビュー

  • ハプスブルク帝国について研究しようと思ったきっかけは何ですか。
  • 一番大きな要因は、自分自身がナショナリスト(民族主義者)だったからかもしれません。
    民族主義に代わる別の考え方は何があるのかを調べた際、多民族国家であったハプスブルク帝国について知りました。
    民族自決の舞台となったチェコとスロバキアの独立や、ハプスブルク帝国について調べて行くうちに、ナショナリズムにはない非常に面白い世界だと魅力を感じました。
  • 今後どのような研究をされる予定でしょうか。
  • 2021年に『さまよえるハプスブルク:捕虜たちが見た帝国の崩壊』という書籍を出版しました。
    そこではハプスブルク帝国を悪い意味で再評価する立場にたち、「なぜ帝国は崩壊したのか」という部分について、帝国軍兵士の捕虜の回想録や当時の外交文書の情報を基に描いていきました。
    しかしながら、まだ詰めていかなければならない問題が色々あると感じています。
    "ハプスブルク的な世界"の生き方と、多民族帝国の崩壊の極面の両方を対比しながら、引き続き研究を進めていく予定です。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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