サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ビジネスの視点から見たオンラインゲームの仕組み
開催日: 2024年10月31日
○活動の主旨、目的○
オンラインゲームとは、インターネットやネットワークを介して複数のプレイヤーが同時に参加を誘うことができるゲーム。飽きられないためにアップデートして変化をつける。ゲームの運営でのトピックはアップデートとメンテナンスになり、運営はゲームマスターとも言われ、世の中に当てはめると「政府」のような立ち位置になり、市場(ゲーム内)の動向を見た適切な施策(アップデート)を行わないとユーザーは離れ、有事(障がい)の際の対応を誤ると炎上したりするケースがある。運営の特徴として、ユーザーの声を聞きながら開発・運営をするという点が挙げられ、KPI(重要達成度指標)について、声にばかり気を取られると、サイレントマジョリティの存在を見落としがちになるため、プレイヤーの行動ログなどを取得し、その行動と声とを合わせることでより正確な状況把握をおこなうとのこと。最近流行りのeスポーツに関して、違うジャンルでもビジネス化するために生かせないかというところを今後考えているという話で締めくくられた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
槙石 隆 氏
学校法人 大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科 教授
大阪電気通信大学着任前はゲーム業界一筋でオンラインゲームを主にプログラマ、プロジェクトマネージャーとして開発・運用に20年以上従事。
2024年度より大阪電気通信大学に着任し、エンターテインメントの可能性を広げるための研究をおこなう。
また、『ゲームクリエイターズカンファレンス』という関西で最大規模のゲーム業界向け勉強会の実行委員としても活動している。
ナレッジドナーインタビュー
- ゲームプログラマーからプロジェクトマネージャーへはどのような経緯で転向されたのでしょうか。
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少なくともゲーム業界においては、新入社員の頃からプロジェクトマネージャーに就くことはありえません。多くの開発経験が求められる職種のため、その経験無しには周りを導くことができないからです。かつ、プログラマー以外の職種についても理解している必要があります。
私の場合は初めにプログラマーとしてゲーム業界に入り経験を積み、途中でプロジェクトの企画ディレクターのような役職に就いて「技術とアイディアを同時に考えなければいけない」役回りを経験し、企画側とプログラマー双方の立場についての認識を深めました。
そしてその後に、プロジェクトマネージャーとしてチーム全体をまとめることになりました。
デザインなど自身の知見が浅い分野については、周りにサポートしてもらいながらプロジェクトを進めました。
プロジェクトマネージャーになって様々なセクションの方と話す機会が増えた結果、ゲームの勉強会を運用する流れができていったのかなと思っています。
- オフラインで勉強会を開かれる意義をどのようにお考えでしょうか。
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ゲーム会社は人の出入りが激しく、人同士の関わりが疎遠になってしまう傾向があり、非常にもったいないと感じていました。そこで、転職して会社が変わってしまっても、同じ業界で働く者同士として繋ぐことができる場が必要だと感じ、勉強会の発足に至りました。
人のつながりが増えて良かったと思えるような場があれば、ゲーム業界の転職がネガティブなものでは無くなっていくと思い、まずは私の拠点である関西から、みんなが寄り添い顔を突き合わせながら語り合える場を作ろうと考えました。
関西は飲み会好きな人がなんとなく多そうだったので「懇親会メインでやりましょう!」と声をかけた結果、大きなホテルの宴会場が埋まってしまうほど沢山の方が参加してくださり、皆さんと直接ゲームについて語り合うことができ、非常に良かったです。
例えばビデオ通話のようなオンラインでの会話だと、相手の目がピクッとするような表情の微細なニュアンスを感じ取ることができないという弱みがあります。対して、オフラインで集まって酒を酌み交わし、相手の顔を直接見て会話ができるということはメリットが多く、とても意義のあることだと感じています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。