サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ”働きやすい”ってなんだろう -Z世代起業家と考える、ソーシャルファームの在り方-
開催日: 2025年1月16日


○活動の主旨、目的○
ソーシャルファームとは就労が困難な方がサポートを受けながら、他の従業員の方と共に働いている社会的企業で、現時点で関西ではあまり広まっていない。イタリアの精神科病棟が解体されるタイミングで患者を地域に返してその人たちが働く場を作ろうということが起源となっている。
ソーシャルファームラボではソーシャルファームを含むネットワークを作ることをメインに活動していて、「自分らしさを強みにした働き方を」ということを大切にしているとのこと。
講演の後半では3~7名の4つのグループに分かれ、「①今日このテーマに興味を持った理由」「②もし縛りがない状態だったらどんな働き方をしたいか」というテーマについて各々話し合い、最後に各グループから代表で1人ずつ発表していただいた。
参加者からは、「色々な人が働いている中で多少の縛りは必要で、何もなしというわけにはいかないと思う。縛りに入らない人をどうフォローするかというテーマだと思うが、疑問に思ったのは、取り組んでおられる事業を継続していく上で利益をどこで出していかれるのか」という意見など積極的な意見交換の場となった。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
永井 愛梨 氏
Social firm Lab.代表

2000年生まれ、京都府出身。家族の引きこもりや発達障害、自身も摂食障害で長い間生きづらさと闘う。会社員として働く中で、様々な原因で就労が困難な方々の理解や支援が少なく、才能が発揮できない現状を解決したいと考える。関西初のソーシャルファーム支援プロジェクトを立案。
LED関西第10期ファイナリスト 、ソーシャルファーム支援事業 、学生のキャリア支援や起業家育成 、淡路島で社会起業家の育成拠点としてシェアハウス運営
ナレッジドナーインタビュー

- ご自身の抱える「働きづらさ」を解決するために取られたアプローチは、どのようなものでしたか?また、働きづらさを感じる人々に効果的な支援策があればお聞かせください。
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私は両親から「こうあるべきだ」と言われたことに対して全くワクワクすることができず、それがストレスの一番の原因になっていました。
そしてさまざまな解決策を試していくなかで、「自分の意思で決めたことをやりたい、好きなことをやっていたい」という自身の気持ちを初めて意識した時に、摂食障害が少し和らぎました。
この経験から、自分らしさや自分のやりたいことを大切にすることが、私にとって重要なことだと実感し、そこから少しずつやれることから実践していきました。
効果的な支援策については、相手との最初の擦り合わせや定期的なコミュニケーションが非常に大事だと考えています。
調子に波がある方に期限のあるものごとを任せることは、大変な部分も大きいです。相手とコミュニケーションを密に取って、任せる部分を小さな段階に区切って進めながら、適宜やり取りをしていくことが大切だと感じています。 - 働きやすい社会を実現するために、企業や社会が意識するべきことは何だとお考えでしょうか。
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社会全体には、「障害者手帳を持っている=サポートして”あげる”対象」といったような偏った考えやイメージが根付いていて、その先入観が大きな障壁になっているように感じています。
最近よく言われているものの中に、「障害者手帳を持っていたほうがいいのか、持たないほうがいいのか」という議論があります。手帳を持っているというだけで、自身に対する周囲の見方が変わってしまうからです。
手帳の有無に関係なく、一人の人間として相手と向き合い、その人を理解しようとする姿勢と意識を持つことが、働きやすい社会を実現するにあたって何より大切なことだと感じます。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。