サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 老舗和菓子屋を廃業から救え!4代目アトツギの勝ち筋戦略
開催日: 2025年3月20日


○活動の主旨、目的○
今回は、2020年で廃業予定だった老舗和菓子屋 元祖鯱もなか本店が、SNS戦略により売り上げがV字回復した販売戦略ついてお話いただいた。
まず、現状を把握することが大切であり、第三者からの評価も交えながら客観的に商品を見つめ、本来の価値に気付くことで勝ち筋を見つけることができるとのこと。
「やってみる」→「検証」→「強化」のサイクルが大事で、理想の未来に近づくには行動こそが一番の近道とお話いただいた。
これまで、色んな事に取り組んだ中で鯱もなかの販売戦略としてうまくいったのがSNSであり、ダイレクトにやり取りができる特性を活かしてフォロワーや企業との交流を大事にし、積極的に絡んでいくことで企業やアイドルとのコラボを何度も実現させてきたとのこと。特にXは「企業公式」としてフランクに投稿・交流ができるため、影響力のある人と繋がるきっかけも多いとお話された。
今後もさらに鯱もなかの認知を拡げて名古屋土産の定番にしていくと同時に、鯱もなかのモチーフである金シャチをもっと活用し地元を盛り上げ、「名古屋と言えば金シャチ!」を世界に発信していきたいと締めくくられた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
古田 憲司 氏
有限会社元祖鯱もなか本店

「元祖 鯱もなか本店」専務取締役。バンドマン、フリーター、商社、不動産業など数々の経歴を経て、老舗和菓子屋の四代目を引き継ぐ。Xを使った独自のマーケティングが得意。常に先を読む、人たらしな策士。著書に『鯱もなかの逆襲』(ワン・パブリッシング)がある。
ナレッジドナーインタビュー

- これまで事業をしてきたなかで特に苦労したことがあればお聞かせください。
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補助金関係でとても苦労したエピソードがあります。
コロナ禍の経済情勢の変化に対応するために事業転換に取り組む事業者向けの、「事業再構築補助金」という制度があり、かつて弊社も活用しようとしました。
コンサルタントにも依頼して、店内を改装してイートインスペース等を新設するという再構築案で補助金を申請し、無事に交付候補者として採択されたのですが、金融機関から設備資金の融資が下りなかったのです。
補助金は再構築事業が完了した後に精算払いで交付されます。弊社は資金を調達できず、当初予定していた工事を実施することができなかったため、結果として補助金の交付を受けることはできませんでした。
経営が苦しいなか、再構築の前段階でかかった諸費用だけを支出しなければならない状況になり、大変辛かったです。
その後のSNSでの反響が大きな分岐点となって、お陰様で売上はどんどん伸びてきています。
しかしその一方で、仕入れ費や人件費、設備面での支出も増えてきているので、いかに売上と利益のバランスを取っていくのかという面で、苦労は継続しているなと感じています。 - 2025年の具体的な目標などはございますか?
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「フェスを開催したい」という長年の目標があります。
本格的に始動するのは来年度になるかとは思いますが、フェスに繋がるような小規模なイベントを今年中に開催したいと思っています。
弊社が「鯱もなか」を持つ強みを活かし、金のシャチホコを観光資源として強くPRし、地元の賑わい創出や経済振興に繋げるのが目的です。
一人でできることは小さいので様々な方の力を借りながら実現に向けて動いています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。