サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 元電通マンが、独立して、地方ビジネスで山ほど失敗したお話。
開催日: 2025年3月27日


○活動の主旨、目的○
何故サラリーマンを辞めたか…それは終身雇用のない人生を早いうちから考えなければ100歳まで自分の面倒を見切れないと思い、地方ビジネスを始めたとのこと。そこでまず自立しようと考えた。
自立とは「誰にも頼らず生きていけること」だと思っていたが、「依存先を増やすこと」という東京大学の熊谷先生の言葉を聞き、将来のために依存先の数や種類を増やそうと考えたという。
依存先の1つ目に石垣島を選んだ。収入源も複数ルート作りたくて、ブランドを10個立ち上げると決め、石垣島で宿泊のできるコワーキングスペース・旅行業・クラフトジン作り・漂着ごみを使用した石垣ハロウィン行事等を手掛けた。ところが、宿泊管理の人件費がかかる、製造原価が高い、儲けにならない等の理由で1年半で廃業となる。あくまで仮説だが地方ビジネスとは「その地方で商いをする人になる」か「その地方で商いをする人をサポートする人」の2つが正体ではないのかと感じているとのこと。
地方の人を応援したり、その地方で要する人にならないとビジネスにならないと思うというお話で締めくくられた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
酒匂 紀史 氏
株式会社DOKAVEN

1998年4月株式会社電通入社。企業や商品のブランド戦略やコミュニケーション戦略/広告企画を多数手掛ける。2014年クリエイティブディレクターに就任。代表作は、PayPay、JICAボランティア、ユーグレナ、味の素ピュアセレクトマヨネーズ、UL・OS、ラクスル等。2019年KIRINホールディングスとのジョイントベンチャーINHOP株式会社を設立し、CMOとして経営に参画。
2021年より独立、株式会社DOKAVEN代表取締役。クリエイティブ業やプロデュース業に加え、共同事業開発などを手がける。 株式会社ハンディ 顧問、株式会社Lemons パートナーCD、株式会社アイリッジ パートナーCD、長友佑都サッカーアカデミー ブランドプロデューサー。
2021年4月より2年間石垣島に移住。現在は、神戸市に移住。
ナレッジドナーインタビュー

- 「地方とは人である」とのことですが、人の心を動かそうと思う際に大事にされていることはありますか?
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最も大事だと思っているのは、「相手の話をどこまで深く聞けるか」という事です。質問の仕方や話の聞き方、問いの立て方も話を聞く技術としてとても重要だと考えています。ご本人も気がついておらず、言語化できていない夢やビジョンが存在することは意外に多いのですよ。
言語化するという行為は難易度が高いことだと思いますので、相手の仕事の分野を問わず、事業主ご本人のこれまでとこれからについてや、どんなことをいつまでにどのレベルで達成したいと考えているのかといった話を、きちんと聞くようにしています。 - いわゆる「定年後40年」をどのように過ごしていきたいとお考えですか?
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その時になってみないと分かりませんが、「おかえり」と言ってもらえる場所を日本中にたくさん作っておくことが、私の精神的にも安定するのだろうなと思っています。例えば、困ったことがあった時に、この件なら沖縄のAさんに相談してみよう、神戸のBさんは確か同じような仕事を手掛けていたなとか。そういった繋がりが日本中にできているということが、自分にとって安全な状態なのだろうなと仮説を立てています。
居住については、どちらにも一長一短があるため、移住を繰り返すのかどこかに定住するのかはまだ決めていません。いずれ終の住処を決めることになるかもしれませんが、それもまたこれからの人生を歩みながら考えていきたいと思っています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。