サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 次世代かき氷プロジェクト“himuro”×ナレッジキャピタル ワークプレイスプロジェクト
開催日: 2025年5月22日


○活動の主旨、目的○
日本古来の食文化であるかき氷は奈良時代から続いているが、これを新しい形で世界に広めようとしているのが「himuro project」。現在2つのプロダクトが進行中で、まず1つ目は「Ice shaving machine himuro」。明治時代に発明されてから進化していなかった氷を削るメカニズムを新たに開発し、特許も取得。異なる2つの味や色の氷を削ることが可能とのこと。 また、金型は使用せず、ボディは燕三条の職人が手作業で磨いているため量産はできないものの、伝統工芸品に匹敵する仕上がりとなっていると言う。
2つ目のプロダクトである「Shave Cocktail」は、アルコールカクテルを凍らせたかき氷で、食べるカクテルという新しい楽しみ方を広めていきたいという思いから、カクテルルネッサンスというのをテーマに開発、販売しているとのこと。
この「himuro project」は、ナレッジサロンでのコラボレーションをきっかけに立ち上げられたプロジェクトで、プロジェクトを開始した翌年のイノベーションアワードでグランプリを受賞。受賞後はグランフロント大阪北館タワーC 9階にあるワークプレイスで、プロダクトの開発を進めておられ、ワークプレイスメンバー同士のコラボレーションができるため、現在も複数のプロジェクトが進行中とお話された。
ワークプレイスを利用するためには、まずナレッジサロンに通い自分の仕事以外のことに目を向けることが大事と言う。交流会などのイベントには積極的に参加し、そこで出会った方とコラボレーションをして、毎年開催されるイノベーションアワードにエントリーすることが大事だとお話いただいた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
上田 勝 氏
スチュアート株式会社( stu-art Co.,Ltd.)

奈良県天理市出身。関西大学商学部在学中にレコードレンタルチェーン「あびいろーど」を設立。卒業後、学習塾フランチャイズチェーン「学習塾優」を設立、直営校の経営ほかフランチャイザーとして奈良県内30校あまりのFC校と16都道府県の地域本部をサポート。その他カフェレストラン、文科省認可の日本語学校など数々の事業を手がける。
2014年、イタリアの芸術大学で学ぶ学生の作品やデザインを日本で紹介するプロジェクト“stu-art”を立ち上げる。
2015年、大阪大学サイバーメディアセンターの下條教授との共催でアクティブスタジオにてイタリア学生による映像作品展を開催。
2016年、教育改革実践家の藤原和博氏とともに、氷文化の発祥「奈良」から次世代かき氷製造機を開発し、かき氷を世界に広めるプロジェクト“himuro”を始動。
2020年秋springXにて“himuro”をリリース。1台目をホリエモンこと堀江貴文氏が購入し、2台目をサントリーの新浪社長が購入。その後多くのメディアにも取り上げられるが、コロナ禍で活動が停滞。2024年より再始動し、現在は奈良ホテル、石垣島、糸島のリゾートホテルに“himuro”を納入。バンコクのミシュラン2つ星レストランからもオファーをもらい精力的に活動中。趣味は音楽とドラム演奏。
ナレッジドナーインタビュー

- himuroにしかない魅力について改めてお聞かせください。
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himuroで使用しているかき氷製造機は、刃を氷にスライドさせることによって非常に均質な氷を削ることができるので、従来の回転型の製造機とは異なる食感を実現できます。また、2枚の刃で2種類の味や色の氷を同時に削ることができるため、今までにないような見た目や味のかき氷を提供できます。そしてなんと言っても、アルコールを含んだ氷を削ることができる製造機は、現時点でhimuro以外にはありません。
そもそも、アルコールを含んだ状態で削ることができる硬度の氷を製氷すること自体が非常に難しく、何度もテストを繰り返して今の形を実現できています。これらがhimuroにしかない魅力ですね。 - これからのワークプレイスプロジェクトにはどのような方の参画を望まれますか?
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今参画している5社の皆さんとも仲良くさせてもらっておりますが、今後新たに同じような想いをもつ若い方や、新しいプロジェクト・スタートアップの方がいらっしゃったら、その方達も巻き込んで一緒に面白いことができるのではないかと思っています。専門分野が異なる者同時の掛け算は、”何が生まれるか予測できない” という楽しみに繋がるのではないでしょうか。ぜひ、ワークプレイスという”場所”だけでなく、他の参画者との”コラボレーション”にも積極的な方に参画していただきたいですね。
現在はコンピュータサイエンス分野の方が多く、物理的なものづくりをする参画者は弊社を含め2社のみなので、ものづくりができる方も増えたらより面白くなりそうだなとも思っています。
とはいえ、分野にこだわっている訳ではありません。その方の持っているスキルの「この部分やったら一緒にできそう」を、コミュニケーションを取りながら見つけていきたいです。
ワークプレイスまで来られるような皆さんは、やはり相応のモチベーションとスキルとビジネスセンスをお持ちなので、こちらも良い刺激と気付きをいただけて新しいアイデアに繋がることもあります。
ゆくゆくは、ワークプレイスで作ったものだけを並べる”文化祭”のようなことができると良いですよね。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。