サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 持続可能な社会と食の未来──化学のカネカの“有機”な挑戦
開催日: 2025年6月19日


○活動の主旨、目的○
「カネカは世界を健康にする」を合言葉に様々な事業を行っている。環境・エネルギー問題、食料問題、健康問題等、世の中の大きい問題を私たちで解決し、私たち自身が成長しようというのが会社の経営ビジョンである。
飛行機の部品(樹脂)から太陽光発電、医療用品から食品まで幅広い事業範囲が特徴の会社が、乳製品事業を始めた理由には、食料の部分で大きな問題があると課題設定したことで始まった。
事業参入におけるポイントは①SDGs(ESG)の視点を、基礎に置いた事業であること ②ビジネスとして中長期でカネカの食品事業を引っ張る事業にしようと目指していること。
社会課題解決に向けた循環型有機酪農の拠点を開設し、誰にも優しい牧場を作ろうと取り組んでいて、「ヒトにも、牛にも、環境にもやさしい」が牧場のコンセプト。具体的な取り組みは、人的負担が大きい搾乳を自動搾乳機を導入することによって負担軽減することや、放牧飼育や快適な牛舎環境づくりに加え、牛の個体管理にも力を入れていること、農薬を使用せず大学と連携した有機飼料の自家栽培、自社ソーラー発電によるゼロエネファーム化など環境にやさしい取り組みをあげている。マーケット(ビジネス)として狙っていることは、オーガニック食品が少なすぎるため、どこでも買える状態に商品をそろた売り場作りをすると市場が伸びるのではないか、と考えているとお話された。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
天川 隼人 氏
株式会社カネカ 乳製品事業開発Strategic Unit 販促企画チーム チームリーダー

駒澤大学卒業後、森永乳業にて法人向け営業、量販店向け営業を経験した後、マーケティング部門のチームリーダーとして各ブランドの分析・調査、戦略立案を担当。
2018年、カネカの乳製品事業立ち上げに参画し、商品開発・プロモーション・販売戦略などの責任者として従事。
一次産業から生活者までを繋ぐ、乳製品の食のプラットフォーム作りに情熱をもって取り組んでいる。
ナレッジドナーインタビュー

- 別海ウェルネスファームの運営を初めるにあたって、印象的なエピソードや苦労したことはございましたか?
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新しいことを始めることはとても難しいことだと理解してはいたのですが、様々な側面で多くの困難なことがありました。
まず、我々は牧場を運営するというところからスタートしたので、酪農のパートナーになってくださる方を見つけるという「仲間探し」から始めなければなりませんでした。
化学メーカーの会社が、「私たちはこんな事がしたいんです!」と、いきなり酪農家を訪問しても怪しまれるだけですよね。弊社の想いを理解して、仲間になっていただける酪農家のパートナーを見つけるという、はじめの一歩がとても大変でしたね。 - 今後の抱負や展望などございましたらお聞かせください。
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会社としては、引続き事業を拡大していきたいという展望があります。そして、「有機(=オーガニック)を当たり前にしたい」というのが、我々のやりたい事であり目指すところです。
日本ではまだ、有機製品は探さないと見つけられないような位置付けにありますが、将来的にはあえて探さなくても有機製品が当たり前に手に取れるような、より身近な存在になるようにしていけたらいいなと思っております。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。