サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
楊枝一筋100年。1300年の叡智と現代の挑戦!河内長野の老舗企業が切り拓く、“つまようじ”のイノベーション

開催日: 2025年7月10日

○活動の主旨、目的○
現在、ようじには平ようじ(toothpick)、丸ようじ(cocktailpick)、三角ようじ(dentaipick)の3種類があるが、ようじの歴史は非常に古く、10万年前にネアンデルタール人が使用していたと言われている。日本へは奈良時代に仏教と共に伝来し、木をかみ砕くという使い方から日本独自の進化をした。
ノルウェーで生まれた三角ようじは歯間清掃と歯茎のマッサージができ、歯周病を防ぐ効果がある。スウェーデンからの依頼があったことから、三角ようじを開発。日本でも販売するも、丸ようじが一般的な日本では受け入れられなかったため、ほとんどが輸出だった。しかし、為替の影響で輸出ができなくなり、国内で市場を開拓しなければならなくなったのをきっかけに、薬局の展示会に何度も足を運び、歯を守るようじを作りたいと説明しつづけたことで、数々の出会いがあり、販路を広げることができた。その中で、龍谷大学のレンタルラボを活用し、丸ようじを三角にカットする製造方法を開発し、大量生産も可能になった。
三角ようじ以外にも、歯間ブラシ、舌掃除用歯ブラシ、メラミンフォーム歯磨き、奥歯専用歯ブラシ、日本人が使いやすいように作られたフロスなど、様々な開発をしてきたが、これらの製品開発の根底には、「日本人の歯の健康を守りたい」という強い思いがあるとのこと。
歯の健康は生活全体の質に直結する。高いIQを持つ日本人の「デンタルIQ」が向上すれば、環境問題、医療、エネルギー、食糧問題など、地球規模の困難な問題の解決に貢献できるはず。歯を残していいより良い研究をし、地球を救ってほしいと願っているとお話された。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

稲葉 修 氏
株式会社広栄社 取締役会長

1942年3月31日大阪生まれ。京都外国語大学英米語学科卒業。
国内で唯一、口腔ケア用である三角錐形つまようじを製造している。講演者である会長の稲葉修氏は、大阪市立大学の非常勤講師も務めており、日本歯科保存学会などの歯の専門家からも講演を依頼される口腔ケアのスペシャリストである。

ナレッジドナーインタビュー

  • 歯ブラシの持つ魅力について教えてください。
  • 歯ブラシは道具としては簡単なもので、価格も高くないものですが、毎日丁寧に使うことによって人生をより豊かにできるものだと思っています。
    歯というものは人生一生のものですよね。生きていくためには食べないといけないわけですし、話すこともまさに人生そのものです。「歯の健康」ほど、大事なことはないと思っています。歯ブラシは、歯磨きという毎日の小さな積み重ねでそれを達成するための重要なものだと思っています。
  • これからの挑戦について意気込みをお聞かせください。
  • 「もっと良いものがあるはず」だと思って、より良いデンタルケア製品を作ろうと引き続き模索して参ります。今はまだその草案はないのですが、いつか必ず出てくるでしょう。
    考えて、作って、世の中のお役に立ちたいと思っています。
    今回のような講演活動や販売活動をすることで得られる様々な情報も、大変貴重だと思っています。こうした場で話すためにも、歯の健康は大事ですね。
    そして口腔ケアにはやる気が一番大事です。
    私は3ヶ月に1度、必ず歯科医のケアを受けているのですよ。そうすることで歯が綺麗になり、「臭い」「汚い」といった嫌な思いをせずに済むので”気”も綺麗に保てます。
    何事もやる気の”気”が一番大事です。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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