サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
”あったらいいな”が街をつくる? 市民×テクノロジーで生み出す『シビックテック』

開催日: 2025年8月21日

○活動の主旨、目的○
シビックテックとは、市民がテクノロジーやデータを活用して地域課題の解決や、教育や防災、環境、まちづくりなどの準公共領域のサービス向上を目指す活動を指す。ITエンジニア、デザイナー、プランナー、アイディアを出すのが得意な人、地域のことに詳しい人、ディスカッションが好きな人など、様々な背景を持つ人たちが集まっており、互いの強みを活かしたコラボレーションが生まれている。問題を解決するにはうまく協力し合えるような仕組みづくりが大事とのことで、「Fix My Street」や「5374」など、シビックテックの事例をいくつか紹介いただいた。
これらの事例を踏まえ、今回はグループワークを実施。自身の困りごとを可能な限り多く出し合い、その中から1~2案に絞る。その課題についてさらに深掘りし、可能であれば解決案も導きだすというもので、最後に各グループ話し合った課題や解決案について発表した。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

新井 イスマイル 氏
奈良先端科学技術大学大学院 総合情報基盤センター准教授

明石工業高等専門学校卒業後、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科にて博士号取得。
現在は大学院 で准教授として勤務する傍ら、Civic(市民)がTech(技術)を使って、地域や身近な困り事を解決するCivictech(シビックテック)の団体「Code for Nara」のメンバーとしても活動。地域課題をテクノロジーで解決する草の根活動として、自治体職員や、子供向けにワークショップなどを開催している。

ナレッジドナーインタビュー

  • 生成AIをご自身の活動にどのように活用していますか?
  • 課題の本質的なところをより深掘りしたい時の「壁打ちをする相手」として、対人だけではなくAIも併せて利用すると議論が活性化することがあるため、そのような使い方をすることがあります。
    また、AIは「背景・問題点・解決策」といった構造を持つ論文を学習しているので、課題の解決方法をズバッと答えてもらいたい時にも有用です。
    とはいえ、私は「世界初の解決案」について論文を書くことが仕事ですので、どちらかといえば、考えついた解決案が既にほかの誰かのアイデアではないかを検証したり、規則性があって誰にでも出来るような作業を任せるといった方面でAIをよく活用していますよ。
  • 子ども世代にもシビックテックに関心を持ってもらうために、どのようなアプローチ方法があるとお考えですか?
  • 子どもは子どもなりの、大人の視点では気がつかない課題が様々あります。
    例えば、GIGAスクールに通う小学校低学年の子どもが毎日教科書とタブレットの両方を持ち帰る負担の大きさや、夏の通学路での地面の照り返しによる熱中症のリスクについてなど。
    困りごとを子どもが直接訴えてくれる場合もありますが、子どもの視点で考えたら良くないことを大人側で自然にうまく拾いあげて、解決に導けるような環境を整えることができたら理想的だなと思っています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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