サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
大阪・関西万博とは何だったのか?そしてあなたのこれから。

開催日: 2026年1月15日

○活動の主旨、目的○
今回の木曜サロンでは、事前に用意された講義形式のA案とワークショップ形式のB案から、参加者の多数決により選ばれたA案で進行された。
まず、20世紀までの「国威発揚」型から、21世紀は「人類的課題解決」の場へと万博の役割が大きく変化してきた流れについてお話された。前回のドバイ万博は「心を繋ぐ」を掲げ、途上国支援やビジネスの場が充実していた。一方、今回の大阪・関西万博は、そこからさらに進化し「多様であるがひとつ」という理念のもと、一人ひとりが主体的に参加する「万民博」を実現したという。大屋根リングはその象徴であり、各パビリオンではアンドロイドによる哲学的な問いや社会的構造への風刺など、技術そのものより「いのちのあり方」を問う内容が目立ったとのこと。
これからの社会に必要なのは単なる進歩ではなく「思いやり」や「調和」であり、万博をエポックメイキングとして自身の意識をどう変えるかが重要であるとお話された。
最後に、万博閉幕翌日の新聞に掲載されたミャクミャクのメッセージ「きのうまではなかった気持ちが、あなたのなかで確かに生まれているとしたら。きょうの朝は、あしたの朝は、まったく違う方向に進んでいける。きっと、絶対に。」「おはよう、あなたの未来。」を紹介。革新的な技術はあくまで手段にすぎず、大切なのはそれをどのように使うかである。その使い道を考えていきましょうとお話になり、講演を締めくくられた。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

廣瀬 茂夫 氏
語らいず 代表

語らいず 代表。職業:カタリスト。
京都大学経済学部卒業。(一社)関西経済同友会常任幹事事務局長として同会提言発出などに関与。
関西経済同友会勤務以前は、(株)日本総合研究所理事・関西経済研究センター所長などを歴任、主にマクロ経済・政策提言分野の業務に従事。日本経済新聞「十字路」コラムニスト、NHK「関西ラジオワイド」レギュラー出演などを経験。大阪・関西万博2025には、誘致段階から関わり、2018年11月のBIE総会時にはパリで決定発表を聞く。2021年開催のドバイEXPOは、コロナ禍のなか単独で渡航し、現地を視察。
今回の大阪・関西万博は、内覧会などを合わせて42回訪問。開幕時はゲートオープン前に入場(9時からのイベントに参画)。2025年8月30日全パビリオン制覇。閉幕時は朝までの打ち上げを見届ける。

ナレッジドナーインタビュー

  • 最も印象に残っているパビリオンを教えてください。
  • パビリオンはどこも素晴らしかったのでどれか一つ、ということは言いづらいのですが、パビリオン”群”で言えば、「シグネチャーパビリオン」が素晴らしかったと思います。
    1970年の大阪万博でいう「テーマ館」というものがそれに当たります。テーマ館は、太陽の塔があってその下に展示スペースがある、という一つのパビリオンでした。
    今回の大阪関西万博では、8人のプロデューサーが「命」というテーマを8つの角度から捉えてパビリオンを完成させました。8人それぞれが個性的にかつ役割を持って制作したからこそ、あのような展示ができたことは素晴らしかったなと思います。どれも甲乙つけ難い、良い展示でした。
  • 未来の形を示した今回の万博のテーマを心に留めておくためにできることはありますか?
  • それを意識することは難しいのではないかなと思います。
    1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」でした。その当時、廣瀬くんは10歳の少年だったわけですが、廣瀬少年が万博のテーマを忘れないようにするために何かしたかと言えば、特に何もしてないのです。それでも当時はみんな、「人類の進歩と調和」というテーマを見て、「進歩すればみんなが仲良くなれる」と思ったのです。
    そして今回も、当時と同じように沢山の子ども達が万博に来場しました。今の子どもたちは「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマの下に開催された今回の万博を見て、これから何十年と活動していくわけですよね。「ミャクミャクが可愛かった」や「いろんな国の人と話できてよかった」といった、「万博って素晴らしかったよね」という記憶さえ残っていれば、大人になっても自ずと万博が示す未来の形も思い出せるのではないでしょうか。
    実際、分断や環境破壊が続くなかで、これからは「いのち輝く」がテーマにならざるを得ない時代になると思っています。今回の万博のテーマもよく考えられたものだなと感じています。
    科学技術の発展には様々な方向がありますが、今はその技術が「地球環境にやさしいか」「人権を守ることに繋がっているか」などを考えなければいけません。制度設計においても、あらゆる分野で人類の広い意味での「幸せ」を考えていかざるを得ないようになっています。今回の万博を意識せずとも、自然と「いのち輝く」というテーマに還っていくと思っています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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