サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ニッチに生きる!-恐竜とパレオアーティストに学ぶ生存戦略
開催日: 2026年2月5日
○活動の主旨、目的○
今回の木曜サロンでは、パレオアーティストの徳川氏にお話いただいた。
パレオアーティストとは、科学的データに基づき絶滅生物を復元する作家のことであり、徳川氏は博物館の展示模型やフィギュア原型制作など幅広く活動されている。近年、AIの急速な進化はアーティストにとって隕石衝突レベルの環境変化であり、自身の生き残り戦略を考えるきっかけになったという。そこでヒントとなるのが、恐竜時代の爬虫類の中でもシンプルなデザインを維持しつつ絶滅を乗り越え、現代まで生き残ってきたワニである。ワニは様々なデザインを試した末に現在の形にたどり着いており、見た目は変えずとも内部的に進化することで環境に適応してきたとのこと。徳川氏自身も、自身の活動の中核を「粘土で恐竜を作る」というシンプルでアナログなものに定め、そこをぶらさずに様々な仕事を派生させているとお話された。
最後に、古いタイプのワニと新しいタイプの鳥がそれぞれの役割を保ちながら共生している例を挙げ、鳥のような若い人たちと、それぞれの役割を尊重しながら共にやっていきたいという思いで締めくくられた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
徳川 広和 氏
株式会社ACTOW 代表取締役
恐竜・古生物復元模型作家
物心ついた頃から大の恐竜好き。特撮怪獣フィギュア商品の原型師としてキャリアをスタートし、博物館からの依頼で恐竜・古生物の模型製作を手掛けるようになる。造形物としての魅力と学術的な確かさの両立を目指し、国内外の学会等にも参加。「きしわだ恐竜教室」(きしわだ自然資料館)の立ち上げや、各種イベント・ワークショップ企画・講演等、恐竜・古生物をより楽しむための様々な活動も行っている。
ナレッジドナーインタビュー
- 幼い頃から恐竜好きな徳川さんが考える”恐竜の魅力”とは何ですか?
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最初は恐竜のデザインがカッコよくて惹かれたのだと思います。
私が子どもの頃は恐竜の復元が古く、ゴジラのように体が持ち上がり尻尾が地面を引きずっているという姿が恐竜のイメージでした。その後学説が変わって、現在では一般的な、羽があって尻尾が持ち上がっているような姿になったので、私が好きになった姿の恐竜はもういないのです。
恐竜のイメージが大きく変わったタイミングで恐竜好きをやめてしまう可能性もあったのですが、今度は研究や発見を追うことにも興味が出てきて、そうこうしているうちに、恐竜を研究する古生物学者の先生たちの話を直接聞く機会が増え、学問としての恐竜の面白さに改めて気づきました。
恐竜を魅力的に感じたきっかけはデザインでしたが、現在は恐竜に対する情報が研究によって日々変わっていくところが魅力だと思っています。 - 今後の展望についてお聞かせください。
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とにかくこの業界で生き残っていきたいです。デジタル技術やAIの発展の中で、これからどうなっていくのだろうという不安は、私だけではなく、同じような仕事をされている方も、他分野のクリエイターやアーティストの皆さんも抱えていると思います。
今はもう目の前のことをこなすので精一杯といった部分もありますが、やはり学び考えながら自分の手で物を作ることは面白いです。そうした面白さを大人だけではなく子どもたちにも教えていきたいですね。
特に恐竜好きは子どもに多いので、好きだけどその興味をどう表現したらいいか分からない子や、恐竜の情報を集めてはいるけど実際にそれを活かす機会を探している子、そうした恐竜好きの子どもたちに「こうしたらいいんだよ。」と教えたりも出来るワークショップのような活動は今後も続けていきたいと考えています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

