サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 『まあいいかCafe』-認知症になったとしても活躍できる社会を-
開催日: 2026年2月12日
○活動の主旨、目的○
「まあいいかCafé」とは、認知症の方が役割を持ち、対価を得て働く場を提供する活動で、平井氏が同居を始めた母親の「働きたい」という言葉をきっかけに始められた。
この活動は、認知症を「She is 認知症」ではなく「She has 認知症」という考え方を軸に、社会の側が「まあいいか」という温かな心で受容することで課題を解消することを目指しているという。特定の店舗は持たず、地域のお店やホテル、商業施設と協働して開催されており、これまでに計47回、延べ270名以上の当事者がキャストとして参加されたとのこと。
また、平井氏は親亡き後のつながりを作る「サリバンの会」の運営や、企業向け研修なども展開されているとのことで、正しさよりも楽しさを重視し、互いに貢献し合うことが生きる力になるとお話された。最後には、2024年に施行された認知症基本法にも触れ、企業との協働を通じて、認知症になっても本人が希望を持って自分らしく暮らせる「認知症にやさしい国」を実現したいと締めくくられた。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
平井 万紀子 氏
まあいいかlaboきょうと
1964年生まれ。関西外国語短期大学卒。松下電器産業株式会社(現Panasonic)入社。約6年間 勤務したのち、結婚を機に退職。その後はフリーとして、営業・取材・企画・編集・講演会主催等、さまざまな仕事を経験。34歳、39歳で出産、2児の母となる。
2014年 認知症と診断された母と同居スタート。認知症の人がホールスタッフをつとめる「注文をまちがえる料理店」の存在を知り、インスパイアされ、2018年3月~地元の京都で「注文をまちがえるリストランテ」「まあいいかCafe」を主宰。当初 母ひとり 娘ひとりからスタートした活動が共感と応援を呼び、約7年間で、計47回開催、来店者数は4,700人を超えている。
ナレッジドナーインタビュー
- 認知症を抱えるキャストとお客様との関わりで特に印象に残っているエピソードを教えてください。
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いくつもあるのですが、2019年に私の母と一緒に大丸京都店で「注文をまちがえるリストランテ」を開催した際のエピソードをお話しさせていただきます。当時の母は自身が認知症であると認めたがらず、私も母の前で認知症の話題を出すことができませんでした。そんな母が、レストランではキャストとして本当に楽しそうに車椅子に乗りながら給仕をこなし、「私は認知症やから」と笑顔で周囲に話していたのです。営業が終わって帰る頃には、母は1日の出来事をすっかり覚えていませんでしたが、私には嬉しそうな母の姿がとても強く印象に残りました。
そのほかにも、母親の働く姿を見て嬉し涙を流している娘さんの姿や、普段は杖を突いて歩いている方が、ホールスタッフとして従事している時間は杖を使わずにお盆を持って自分の力で歩いている姿など、たくさんのことが印象に残っています。そのような場面を見るたびに、まあいいかCafeをやっていてよかったなと心から思います。 - 「まあいいかCafe」がここまで成功・成長した理由を教えてください。
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本当に、ボランティアをはじめ関わってくださる皆さんのおかげだと常々思っています。
私はいつもカフェを開催する地域ごとに、「この指とまれ!」でボランティアスタッフを募集しているのですが、来てくださる方々がとても熱心に温かく関わってくださるおかげで、毎回無事に開催できています。まさに、「人は人から傷つけられるけど、人から救われる」で成り立っているのだなと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

