サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 町工場の高精度技術は、社会課題を解決できるのか? ― 使用済みカイロから始まった水質改善への挑戦
開催日: 2026年2月19日
○活動の主旨、目的○
環境ベンチャーでもなければ研究機関でもなく、あくまで町工場だからこそ、実際に社会実装に強くこだわった取り組みをしている。そして製造業の現場にいると「これは本当に廃棄物なのかどうか?」と感じる瞬間がよくあると言う清水氏。その代表例が使い捨てカイロ。中身を見てみると、鉄や炭など本来であれば有効活用できる素材でできていて、資源になり得るものがそのまま大量に廃棄されていることに大きな違和感を持ったのが、この事業の出発点だったとのこと。
テクノクリーンキューブの効果は3つ。1つ目は「COD(湖沼や海域の水中に含まれる有機物(汚れ)の度合いを示す指標)の減少」、2つ目は「悪臭の抑制」、3つ目は「ヘドロの体積を減らす」こと。テクノクリーンキューブの市場が拡大すればそれに伴って専用の金型需要も生まれると考え、水質改善という社会課題に取り組みながら本業である金型技術の価値も高めていきたいとのこと。
これが町工場初の新しい社会貢献の形になり、そして廃棄物削減と水質改善2つの社会課題に同時にアプローチできる「社会課題解決型」の事業となり、本質的な価値があると考えているとお話された。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
清水 謙吾 氏
株式会社テクノフロント 専務取締役
1986年京都府京都市生まれ。大学卒業後、産業用高圧ガスの専門商社に入社し、バルーン・ヘリウムガス事業の営業として大手テーマパークや量販店、広告代理店を担当し拡販。
2022年、妻の父が経営する株式会社テクノフロントにアトツギとして入社、2025年より専務取締役。
コア事業である特殊鋼を中心とする金型用鋼材の販売事業に携わる一方、町工場の技術資産を社会課題と接続する新規事業の設計に取り組み、現在は使用済み使い捨てカイロ由来の再生材による水質改善・資源循環の事業に挑戦中。 使用済み使い捨てカイロを再利用した水質改善材「テクノクリーンキューブ」を2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンへ出展。
ナレッジドナーインタビュー
- 一般家庭での使い捨てカイロの活用方法などはありますか?
- 二価鉄イオンには植物の根を強くする効果もありますので、使用後の使い捨てカイロの中身をご自身で取り出していただき、プランターや家庭菜園の土に混ぜていただくだけでも、肥料としての役割をしてくれます。我々が製造しているTechno clean cubeも、ご家庭の水槽などで水質改善のために使用していただくことができますよ。
- 清水さんは今後、どのような場所の水をきれいにしたいと考えていますか?
-
やはり私は大阪在住なので、大阪の水を綺麗にしたいという想いがあります。
大阪はかつて「水の都」と呼ばれたほどに水資源が豊かな都市である一方で、水質には課題を抱えています。弊社が実証実験を行った古墳の堀に代表されるように、根本的な水質改善の難しい場所が非常に多いことも実感しています。将来的には、そういった改善困難な場所の水質まできれいにできるようになると嬉しいですね。
また、Techno clean cubeは、「回収ありき」の事業になってしまうので、自治体等にご協力いただき、使用済みカイロを大量に確保することが必要不可欠となります。
使い捨てカイロを積極的に回収していただいた自治体には、回収した分をその地域の水質改善のための施策に充てるようにすることで地産地消のように還元していき、お互いの利益をしっかりと繋げられるようにしていけたらいいなと思っています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

