サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 組織や社会を「デザイン」する -FactorISMと友安製作所から学ぶ組織づくり
開催日: 2026年3月12日
○活動の主旨、目的○
元八尾市役所職員で、現在は株式会社友安製作所の役員としてソーシャルデザインに取り組んでいる松尾氏より、組織やまちづくりについてお話いただいた。
友安製作所は、八尾市にあるインテリアなどの製造販売会社で、空間デザインやまちづくり事業など多角的に展開している。同社では全社員が「デザイナー宣言」を行い、ニックネーム制の導入やダイバーシティ経営など、一人ひとりが主体的に課題解決に取り組める組織づくりを実践しているとのこと。
松尾氏が統括プロデューサーを務めるオープンファクトリープロジェクト『FactorISM』は、「こうばはまちのエンターテインメント」を合言葉に、行政の境界線を越えて広域の企業が参加しているという。一般の人にとって町工場の非日常的な光景はエンターテインメントであり、来場者が感動して感謝を伝えることで、職人たちのモチベーション向上に繋がっている。これにより、行政や地域と企業の関係が「支援する・される」という関係から、対等な立場で新しい価値を生み出す「共創」の関係へと変化したとのこと。
これからのまちづくりは、行政や企業といったまちのプレイヤーの境界線を曖昧にし、共に創り上げていくことが重要であり、誰もが主体的に考え、自らまちの変化の起点になってほしいとお話された。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
松尾 泰貴 氏
FactorISM 統括プロデューサー
関西大学卒後、八尾市に入庁。13年勤めた行政マンをやめ、2021年に友安製作所入社。行政時代は、秘書課、産業政策立案を経て、経済産業省で関西圏内のベンチャー政策に携わる。その後、八尾市にて内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」を受賞した「みせるばやお」(地域企業、大学、金融機関からなるコンソーシアム)を立ち上げ、『地方公務員アワード2019』を受賞。2022年よりソーシャルデザイン部担当執行役員となり、まちづくり事業を立ち上げる。 2020年に「FactorISM」(オープンファクトリープロジェクト)を立ち上げ、87社9エリアにまたがる広域的な取り組みへと発展し、和歌山県専門家、八尾市、大阪市生野区の公共事業のプロデュースを行うほか、国をはじめ、地方自治体や経済団体、大学などでまちづくりに関する講演を年間40本以上行う。2023年7月、Forbesスモール・ジャイアンツ イノベーターに就任。
ナレッジドナーインタビュー
- 組織づくりにおいて大切なことを教えてください。
-
熱量が高くないと参加できない仕組みにはしない方がいいと考えています。
組織というものは、中心部は激しく燃えていても、外側へ行くほど熱量は低く薄くなっていくものです。参加を強制するのではなく、週に1回参加する熱いメンバーもいれば、月に1回、あるいは1年に1回イベントの時だけ手伝ってくれるメンバーもいるといったような、「関わり方のグラデーション」を作ることが、これからの組織づくりにおいては柔軟な形なのだと思います。 - 今後の展望についてお聞かせください。
- ソーシャルデザインを掲げて現在6年目となりますが、これが10年、20年と続いて「まちのカルチャー」になっていくことが非常に重要だと考えています。今はムーブメントやプログラムになり始めている段階ですが、それを本当の意味で"文化"にしていくにはあと10年ほど必要だと感じています。そこに至るまでは、私がしっかりと仕組み化を担っていきたいです。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

