サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- これまでにないプロダクトは、どう社会に実装されるのか -評価される挑戦とその裏側-
開催日: 2026年6月11日
○活動の主旨、目的○
まず初めに、クリス氏より、「人の存在感をテレポートさせる」というコンセプトのもと、遠隔操作で空間を動く3Dコミュニケーションロボットの事業について紹介された。首振り型の「Kubi」や自走式の「temi」などのロボットを適材適所で活用し、メタバースとリアルを融合した疑似テレポート体験を提供しているとのこと。コロナ禍での国際学会や、大阪・関西万博における入院中の子供たち向けの「どこでも万博」などの導入実績があり、人手不足解消や生産性向上、フェーズフリーへの貢献を目指して開発を続けているとお話された。
次に、池内氏より、「電気を飛ばす未来」の実現を目指し、ワイヤレス送電技術を用いた装置の開発・製造について紹介された。最終的にコンセントのない世界を作るため、まずは身近なスマートフォンの急速充電に対応した埋込型ワイヤレス充電器「スマートチャージャー」を展開。これはホテルやカフェなどに導入されており、1つのコンセントで最大40台まで充電可能な「スマートテーブル」は自治体の交付金対象にも認定されているという。さらに、水に濡れても安全な光るグラスや配線不要の壁掛け看板などの応用例を示し、将来的には電力を2メートル飛ばす技術の完成を目指しているとお話された。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
クリストファーズ・クリス 氏 X:Presence代表 、iPresence株式会社 / ArchiTwin株式会社 代表取締役
1980年神戸市生。14歳で渡英。英Sheffield大学では建築を学び建築設計事務所、デザイナー等の仕事を経てUC業界世界最大手の外資系IT企業の西日本拠点(大阪・名古屋)の立ち上げと全国の事業統括を行う。
その後、テレプレゼンスアバターロボットという概念と出会い、日本初のスペシャリスト企業を地元神戸と英国にて立ち上げる。2020年には遠隔建築現場管理デジタルツインシステムを開発提供するArchiTwin株式会社をサロンメンバーと立ち上げる。現在、独自アプリやロボットの開発等を実施しながらコミュニケーションの新たな形にチャレンジ中。
*令和7年度 バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式(第24回)内閣府特命担当大臣表彰優良賞
*ナレッジイノベーションアワードには2018年以降4度入賞
池内 智彦 氏 株式会社エレクトロンヴェクシー 代表取締役社長 / CEO
2000年に学位を取得後、大阪大学および神戸大学で助手(現、助教)として、研究、教育に従事。2006年には大阪大学先端科学イノベーションセンター ベンチャービジネスラボラトリー部門 特任講師として、企業との共同研究を行う傍らベンチャー企業の支援、特許活用支援を行う。この経験から特許技術を用いた会社を起業することに興味をもつ。
2011年に大阪大学 大学院工学研究科 CREST研究員、特任研究員(常勤)として研究に従事するも、2015年に起業を決意。起業準備のため、大阪大学 大学院工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻に異動。
2017年 株式会社エレクトロンヴェクシーを設立。現職。また、2021年には事業推進のため大阪大学 大学院工学研究科 地球総合工学専攻に招聘研究員として所属。大阪市立大学 大学院工学研究科 博士後期課程修了。博士(工学)。
*第12回知的財産活用表彰 知的財産活用奨励賞(知的財産戦略部門)受賞
*第10回 ナレッジイノベーションアワード優秀賞 受賞
ナレッジドナーインタビュー
- ナレッジキャピタルでの活動が事業にどのような影響を与えましたか?
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クリストファーズ氏:
初めは一人で事業をスタートしました。建築設計やデザインについてはある程度学んできたのですが、ロボットの製作やシステム開発については知識がなく、手をつけることができませんでした。そこで、ナレッジサロンでフリーランスの会員の方々と交流し、それぞれの技術を組み合わせるところから取り組みを始めました。ナレッジキャピタルの「ここからイノベーションを起こす」というコンセプトは、まさに私たちが実現したいこととマッチしていました。
イノベーションアワードでは、4度目の受賞として遠隔溶接ロボットの取り組みで近畿経済産業局賞をいただきました。その後も、同局に推薦いただいたことをきっかけに、内閣府の賞や中小企業関連の賞を受賞する機会を得るなど、活動の幅を広げることができました。ナレッジキャピタルとの出会いが、こうした成果につながったと感じています。
池内氏:
多くの方々との出会いの中で、共に取り組むことができるパートナーにも恵まれ、長く続くつながりも生まれました。一つひとつの出会いの深さにかかわらず、それぞれが自分たちに新しい視点を与えてくれたと感じています。多様な方々と出会えたこと自体が、何より大きな価値でした。 - 今後ナレッジキャピタルに期待する役割や機能があれば教えてください。
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クリストファーズ氏:
引き続き、さまざまな会員の皆様とのマッチングの機会を提供していただけることは、とてもありがたいと感じています。イノベーションアワードについても、長く続いていることで認知度や実績のあるアワードになってきていると感じています。今後もぜひ続いていくことを期待しています。
また、グローバルな視点で見ると、すでにさまざまな国とMOUを締結されていると伺っています。そうしたネットワークを活かした連携や交流の機会が生まれると、より面白い取り組みが広がっていくのではないかと感じています。
池内氏:
個人的には、ベンチャーを本気で志している方がもう少し増えると嬉しいです。そうした方々と気軽にコミュニケーションを取ったり、情報交換ができる場があると、より良い環境になるのではないでしょうか。
これまで多くの方とお会いし、さまざまな知見を得られたことはとても価値のある経験でした。一方で、同じように会社を立ち上げた方々同士でつながれるコミュニティがあれば、より近い立場でコミュニケーションを取りながら情報交換ができるのではないかと感じています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

