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受賞作品

interview

子どもが楽器に触れずにエアー演奏を
体験できる

三木楽器株式会社 事業開発室 黒川隆

AR技術を用いて非接触で楽器演奏の擬似体験ができる「VIRTUAL BAND(バーチャルバンド)」を開発。大きなモニターの前に立つとギターやドラム、キーボードのエアー演奏が体験できるというものだ。今回、子ども向けにリニューアルし、採点機能も付加。今後、さらに検討を重ね、楽器業界の新時代に向けて可能性に満ちた挑戦をはじめている。

01子どもに絞ったコンセプトでリニューアル

――開発のきっかけを教えてください。
デジタルコンテンツ開発を行うU-SOFTFACTORYさんからお声掛けいただいたコラボ企画でした。2019年7月にナレッジキャピタルのThe Lab.でテスト展示を開始し、その後子ども向けにリニューアルしました。
――どのような仕組みですか?
ギター、ドラム、キーボードと三人までの演奏が可能で、モニターの前に立つと、センサーが人を認識し、画面に映り込む順番で楽器が映し出されます。一番目の人はギター、二番目はドラム、三番目はキーボード担当です。手の動きをセンサーが認識して、それぞれの楽器のフレーズが鳴るといった仕組みです。
――どうしてリニューアルをしたのでしょうか。
当初は利用対象者を特定していなかったのですが、The Lab.でテスト展示している際、子どもたちが喜んで利用してくれたり、リピート率が多いという声がありました。そこで、思い切って子ども向けデザインや仕様に変え、うまくリズムに乗り続けていたら「GOOD!」表示が出る簡易的な採点機能も付け、子どもたちにより親しみやすく楽しんでもらえるように変更しました。
現在リニューアル後のアンケートを実施中なので、その結果も踏まえて、ゲーム性を上げていくなどの改良を検討できればと思っています。

02音楽×〇〇で新たな道を切り開く

――他業種とのコラボというのは楽器業界では一般的ですか?
いいえ、珍しいと思います。楽器業界だと、楽器販売以外の主な事業は、音楽教室やイベント、商品開発までがほとんどじゃないでしょうか。他業種とコラボすることは少ないと思います。そういう意味では楽器業界は意外と閉ざされている気がします。
今回、我々はたまたまAR×音楽といった視点で展開しましたが、今後も積極的に他業種とつながって、新しいビジネスに取り組んでいきたいと考えています。
――ARというのも一つのキーワードでしょうか。
今回、AR×音楽の掛け合わせで「バーチャルバンド」を実現できたのは一例に過ぎないと思っています。ARやVRはさらに伸びていく分野だと思いますので、専門家の方々や若い方々からも自由な発想をいただいて、一緒に新しいものを生み出していきたいですね。

03楽器屋だけど、楽器だけにこだわらない

――「非接触」ということにも将来性を感じていますか?
非接触で楽しめるものへの需要は今後も残っていくんじゃないかと思います。毎回アルコール消毒をする手間も費用も大変です。非接触でいかに高いエンタメを提供できるかが、僕らの勝負どころ。費用の許す範囲でどこまでできるかが課題です。
正直なところ、収益性を無視すれば、ゲーム性をどんどん加えたり、大型化したり、「バーチャルバンド」は大きな可能性を秘めています。高齢者向けの展開も可能かもしれない。一方で、現実的にはできることとできないことが出てきます。そういった制限のなかでも、利用者ニーズを捉えつつ、我々がこれまで培ってきた音楽的ノウハウを生かして工夫していかねばならない。より多くの方に楽しんでもらえるサービス、例えばイベントや遊技場での展開、遠隔地セッションなどにも挑戦していきたいです。
――今後の目標は?
もはや、「楽器」という枠組みにこだわっていません。もちろん、楽器を購入してもらったり、教室に通ってもらったり…、というところに落とし込んでいければベストですが、いつまでもそこだけにこだわっていても未来はありません。
弊社は、ほかにも高齢者向けの木製メモリアルギター(納棺用の副葬品、お供え用の装飾品)を開発・販売しているのですが、今回の子ども向けのバーチャルバンドも含め、どちらも楽器ではありません。「音楽」という視点であらゆる世代に間口を広げ、音楽の楽しさをもっと広く発信していけるサービスを創っていきたいですね。
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  • ナレッジイノベーションアワード事務局

    〒530‒0011 大阪市北区大深町3‒1 グランフロント大阪 ナレッジキャピタル7階 K708
    株式会社スーパーフェスティバル内(担当:松田)
    Tel:06‒6131‒6881 (平日10:00~18:00) / Mail:kia@kc‒i.jp

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