ナレッジキャピタル超学校 みんぱく×ナレッジキャピタル
-世界の『台所』-

台所とは調理する場所、集めてきた食材が料理にかわるところ。もっと言えば、自然が文化になるところ。今回の講座では、世界のさまざまな「台所」について、お話しします。とはいえ、住居内に調理に特化された空間としての台所が、どの社会にもあるわけではありません。日本の台所にしても、人々の住まい方に対応して、だんだん今の形になってきたのでしょう。そして今後も変化していくのでしょう。みんぱくに所属する6名の研究者と1名の名誉教授が紹介する、世界のくらしの中の調理空間の話が、日本に住むわれわれのくらしを見つめ直すきっかけになればと思います。

第1回 マダガスカル山岳部の食事と台所

マダガスカル山岳部の食事と台所 マダガスカル山岳部の食事と台所

2016年5月11日(水) 19:00〜20:30(開場 18:30)

マダガスカルの山岳部には、首都アンタナナリヴのように大きな町もありますが、車道の通わないような村落部もあります。ザフィマニリ人の家屋は、部屋の仕切りのない「ワンルーム」形式。その南よりに囲炉裏が切ってあり、南東の隅には調理道具が置かれています。この調理空間にみられる家財を写真記録するというのが、この地域でのわたしの重要な調査でした。その調査結果と、屋外で観察された生業のようすから、マダガスカル山岳部の食生活をご紹介します。
※写真は、マニオクイモ(キャッサバ)の盛りつけ

講師

飯田 卓

国立民族学博物館・准教授

マダガスカル山地部の人と樹木、同海岸部の人と海などの関わりを調査してきた。専門は生態人類学、文化遺産の人類学。著書に『身をもって知る技法』(臨川書店、2014年)、共編著に『マダガスカルを知るための62章』(明石書店、2013年)など。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年5月11日(水)
開催時間 19:00〜20:30 (開場 18:30)
会 場 CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス
定 員 50名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 500円(1ドリンク代)
テーマ マダガスカル山岳部の食事と台所
講師 飯田 卓(国立民族学博物館・准教授)

第2回 閉じられた聖なる空間――ネパールの台所

閉じられた聖なる空間――ネパールの台所 閉じられた聖なる空間――ネパールの台所

2016年5月25日(水) 19:00〜20:30(開場 18:30)

ヒンドゥー教世界では、食べることは体内に不浄や邪気を入れてしまいかねない危険な行為だと考えられています。そのため、ネパールの台所は余所者を排した聖なる空間とされ、ヒンドゥー僧侶カーストのブラーマンであれば、日々の食事は儀礼のように厳粛なものとなります。浄/不浄や文化/自然の規範的な観念から現実的な対応まで、ネパールの台所にまつわる日本とは違うものの見方や考え方、行為について考えます。
※写真は、村の台所(かまど)と都市の台所(ガスレンジ)

講師

南 真木人

国立民族学博物館・准教授

専門は人類学、南アジア研究。共編著に『現代ネパールの政治と社会――民主化とマオイストの影響の拡大』(明石書店、2015)、Transnational Migration in East Asia: Japan in a Comparative Focus (国立民族学博物館、2008年)。分担執筆に『人と水Ⅱ 水と生活』(勉誠出版、2010年)、『講座世界の先住民族3――南アジア』(明石書店、2008年)など。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年5月25日(水)
開催時間 19:00〜20:30 (開場 18:30)
会 場 CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス
定 員 50名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 500円(1ドリンク代)
テーマ 閉じられた聖なる空間――ネパールの台所
講師 南 真木人(国立民族学博物館・准教授)

第3回 人生は明るく楽しく――ルーマニアの食文化

人生は明るく楽しく――ルーマニアの食文化 人生は明るく楽しく――ルーマニアの食文化

2016年6月8日(水) 19:00〜20:30(開場 18:30)

ルーマニアはハンガリー、ブルガリア、セルビア、ウクライナ、スロヴァキアなど多くの国に囲まれているばかりでなく、国内にも多様な民族を抱えています。そのため食はとても豊か。代表的な食べ物は、お葬式や結婚式などで欠かせないサルマーレという一種のロールキャベツ。ほかにも美味しいスープに肉料理、野菜、お菓子、漬物、お酒があります。ヨーロッパとアジアに挟まれた地理的、歴史的条件のため周辺地域と多くの共通点を持つルーマニアの食文化ですが、それを独特の人生哲学によって色づけています。
※写真は、ブカレストでのサルマーレ作り

講師

新免 光比呂

国立民族学博物館・准教授

宗教学専攻。主な調査地はルーマニアだが、比較を旨とする宗教学のため、キリスト教やイスラームの文化が広がっている地中海沿岸地域にも関心がある。おもな著作に「ルーマニア――祈りと祝祭の国」(淡交社、2000年)など。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年6月8日(水)
開催時間 19:00〜20:30 (開場 18:30)
会 場 CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス
定 員 50名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 500円(1ドリンク代)
テーマ 人生は明るく楽しく――ルーマニアの食文化
講師 新免 光比呂(国立民族学博物館・准教授)

第4回 セネガルの食事情――クスクスとご飯

セネガルの食事情――クスクスとご飯 セネガルの食事情――クスクスとご飯

2016年6月22日(水) 19:00〜20:30(開場 18:30)

伝統的な雑穀の食事が、米や小麦におきかわってきています。作物の栽培や料理方法のちがい、穀物をめぐる農耕民と遊牧民の関係、また穀物の自給レベル、植民地支配以降の経済の変化にともなう食生活の変化、開発プロジェクトをめぐる農業の変化など、さまざまな要因が今日の食生活の変化と関わっています。そこから私たちの日常生活にも大きくつながる食、自然環境、グローバル経済などについても考えてみたいと思います。
※写真は、「国民食」となった炊き込みご飯「チェブジェン」

講師

三島 禎子

国立民族学博物館・准教授

専門は文化人類学。西アフリカに故地をもつ商業民族の歴史的背景と今日の経済活動について関心をもち、世界各地で調査をしている。おもな著作に「民族の離散と回帰――ソニンケ商人の移動の歴史と現在」(駒井洋監修・編/小川充夫編『グローバル・ディアスポラ』明石書店、2011年)など。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年6月22日(水)
開催時間 19:00〜20:30 (開場 18:30)
会 場 CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス
定 員 50名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 500円(1ドリンク代)
テーマ セネガルの食事情――クスクスとご飯
講師 三島 禎子(国立民族学博物館・准教授)

第5回 ムスリムの肉食、キリスト教徒の菜食
――中東・イスラーム世界の食と宗教

ムスリムの肉食、キリスト教徒の菜食――中東・イスラーム世界の食と宗教 ムスリムの肉食、キリスト教徒の菜食――中東・イスラーム世界の食と宗教

2016年7月6日(水) 19:00〜20:30(開場 18:30)

在日ムスリムの増加にともない、イスラームの食規定(ハラーム/ハラール)が日本でも注目を浴びるようになってきました。本講演では、イスラームの食規定の基本と、実際にムスリムがどのようなものを食べているのか、パレスチナやレバノン、シリアの事例をもとにご紹介します。また、宗教的マイノリティであるキリスト教徒の食文化についても取り上げ、ムスリムとの違いと共通点についてお話しします。
※写真は、教えにのっとって菜食をおこなうキリスト教徒の家族

講師

菅瀬 晶子

国立民族学博物館・准教授

パレスチナやレバノンの宗教的マイノリティであるキリスト教徒を調査対象とし、アラブ・ナショナリズムとのかかわりや、ムスリムと共通の聖者崇敬について調査している。おもな著作に、『イスラエルのアラブ人キリスト教徒――その社会とアイデンティティ』(渓水社、2009年)など。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年7月6日(水)
開催時間 19:00〜20:30 (開場 18:30)
会 場 CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス
定 員 50名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 500円(1ドリンク代)
テーマ ムスリムの肉食、キリスト教徒の菜食――中東・イスラーム世界の食と宗教
講師 菅瀬 晶子(国立民族学博物館・准教授)

第6回 民博展示ツアー
「電気・ガス・水道のない台所
――ベトナム、黒タイ族の村から」

民博展示ツアー「電気・ガス・水道のない台所――ベトナム、黒タイ族の村から」 民博展示ツアー「電気・ガス・水道のない台所――ベトナム、黒タイ族の村から」

2016年7月18日(月・祝) 13:30〜15:00 (受付13:00~)

電気もガスも水道もない台所なんて、想像できないかもしれません。でもベトナムの黒タイ族の村の台所には、ふつうガスも水道もないし、電気が来たのもこの十年です。では、そこにくらす人々は、調理や食事の際、火や水をどのように調達し、どのように使っているのでしょうか。 またどんなものを、どのように食べているのでしょうか。ツアーでは東南アジア展示場の台所見学ののち、(ちょっと遅い時間のランチになりますが)黒タイ料理をご賞味いただきながら、村のくらしと食についてお話しします。
※写真は、ブタ肉を炒め、魚を炙り、ブタ肉を燻製にしている

※国立民族学博物館での開催となります。
※開催内容の変更に伴いお食事代1,000円(税込)が必要となります。(2016年6月27日更新)

講師

樫永 真佐夫

国立民族学博物館・教授

ベトナム西北部の盆地に水田を開き、村をつくっている黒タイという人たちの暮らしの過去と現在を、つれづれなるままに考えている。著書に『黒タイ歌謡「ソン・チュー・ソン・サオ」――村のくらしと恋』(雄山閣、2013年)など。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年7月18日(月・祝)
開催時間 13:30〜15:00

13:00      受付開始
13:30~14:00  東南アジア展示場見学
14:00~15:00  みんぱく内レストランにて特別メニューにて食事をしながら解説後に、収蔵庫の窓ごしに内部の様子を見学する
会 場 国立民族学博物館 アクセス
大阪府吹田市千里万博公園10-1
※当日は国立民族学博物館本館1Fへ集合頂きますようお願い致します。
※開催日直前に配信いたしますリマインドメールを必ず印刷の上、ご持参ください。
定 員 30名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 1,000円(税込)/お食事代として(みんぱくレストラン特別メニュー)
メニュー:ナレッジキャピタル超学校 みんぱく×ナレッジキャピタル〜世界の台所〜特別メニュー
「ベトナム、ターイ族ランチ」
※開催内容の変更に伴いお食事代が必要となります。(2016年6月27日更新)
テーマ 民博展示ツアー「電気・ガス・水道のない台所――ベトナム、黒タイ族の村から」
講師 樫永 真佐夫 (国立民族学博物館・教授)

第7回 韓国の台所

韓国の台所 韓国の台所

2016年7月20日(水) 19:00〜20:30(開場 18:30)

韓国社会でも日本と同じように高度経済成長によって生活が大きく変化しました。韓国の生活の特色と変化を顕著に見ることができるのが台所です。私がフィールドワークをした韓国西南部の島の家と、ソウルのアパートの事例を紹介しながら、韓国の台所の変化を通して、韓国社会における生活の特色と変化について考えてみましょう。
※写真は、1980年、都草島の家の台所

講師

朝倉 敏夫

立命館大学・教授、国立民族学博物館・名誉教授

1970年代末から韓国社会のフィールドワークをはじめ、韓国社会の変化を追い続けてきた。ことに『世界の食文化① 韓国』(農山漁村文化協会、2005年)、『韓国食文化読本』(共著、国立民族学博物館、2015年)など、食を通してみた韓国社会に関する著作も多い。

本講義は終了致しました。
開催日程 2016年7月20日(水)
開催時間 19:00〜20:30 (開場 18:30)
会 場 CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス
定 員 50名(中学生以上/ 事前申込/申込先着順)
参加費 500円(1ドリンク代)
テーマ 韓国の台所
講師 朝倉 敏夫(立命館大学・教授、国立民族学博物館・名誉教授)

概要

タイトル ナレッジキャピタル超学校 みんぱく×ナレッジキャピタル
テーマ 世界の『台所』
会 場 第1〜5回・第7回:CAFE Lab. / グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル1F アクセス

第6回:国立民族学博物館 アクセス
定員 各回50名 (第6回は30名)
応募概要 応募方法:本ページからの事前申し込み(申込先着順)
応募資格:中学生以上
参加費 500円(1ドリンク付き)
※第6回は開催内容の変更に伴いお食事代1,000円(税込)が必要となります。(2016年6月27日更新)
講師 飯田 卓 (国立民族学博物館・准教授)
南 真木人 (国立民族学博物館・准教授)
新免 光比呂 (国立民族学博物館・准教授)
三島 禎子 (国立民族学博物館・准教授)
菅瀬 晶子 (国立民族学博物館・准教授)
樫永 真佐夫 (国立民族学博物館・教授)
朝倉 敏夫 (立命館大学・教授、国立民族学博物館・名誉教授)
主 催 国立民族学博物館 国立民族学博物館
一般社団法人ナレッジキャピタル
株式会社KMO
お問い合わせ 【参加に関するお問い合わせ】
一般社団法人ナレッジキャピタル
TEL:06-6372-6530(平日 9:00-17:00)
お問い合わせフォームはこちら

【第6回民博展示ツアー「電気・ガス・水道のない台所――ベトナム、黒タイ族の村から」の会場・アクセスに関するお問い合わせ】
国立民族学博物館
06-6878-8210

PAGE TOP