ナレッジキャピタルレポート

ナレッジキャピタルの直近の活動や注目の話題をレポート!

国際交流

海外機関との連携を通じ、知見の共有やさらなる共創の場の発展を目指すナレッジキャピタル。連携によって生まれる動きの一部をご紹介!

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国内外11の文化機関と産業と文化について議論

「Asia Arts and Culture Networking Event」
【開催日】 2024年12⽉11⽇(⽔)、12⽇(⽊)、13⽇(⾦)

ナレッジキャピタルの今後の方針として昨夏に掲げられた「全員参加型・多次元価値の創出」に寄与する国際会議が昨年末に実施された。アジアを中心とした文化機関との交流から、文化・産業共に発展する機会の創出を目指すもので、国内外から11の機関が参加し3日間にわたる交流が営まれた。今回テーマとして掲げられたのは「文化の産業化、産業の文化化」。初日は企業や大学などから一般客も招待され、西陣織の老舗・株式会社細尾とフィギュアの造形企画制作でお馴染み、株式会社海洋堂の代表が特別講演を行った。伝統文化の革新的な技術による躍進、そして子ども向けと思われた創作が大人を夢中にさせる文化へと変貌する道のりが語られ、テーマが体現された両講演に、来場者は熱心に聞き入っていた。その後参加機関は各施設の特徴や現在の取り組みについてプレゼンを行い、日本の食に触れる懇親会で初日を締めくくった。続く2日目は、3グループに分かれて技術、教育、エンタメの切り口でグループディスカッションが行われた(左記)。長時間のディスカッションを終え、さらに交流を深めたメンバーは、続く3日目に大阪に拠点を持つ「海洋堂フィギュアミュージアム」、「大阪中之島美術館」、「VS.」の3つの文化施設を訪問。各施設の担当者から、企画の手法やバックヤードの見学など運営の裏側が詳しく紹介され、3日間の行程が幕を閉じた。ナレッジキャピタルは国を越えて交流の要となり、さまざまな世代や文化背景を持つ人と協業しながら相互交流を促すことが「多次元価値の創出」のカギであることを再認識した。今回の経験や気づきを広く一般に共有していくためにも、参加機関との連携の強化が期待される。
Asia Arts and Culture Networking Event

各機関が「文化の産業化、産業の文化化」について課題提唱を行い、取り組みについて発表するプログラムを実施。

Asia Arts and Culture Networking Event

(左)初日は「ウェルカム・ナレッジキャピタル」と題し、「ザ・ラボ」や「ナレッジサロン」の見学と共にナレッジキャピタルの機能が紹介された。
(右)株式会社海洋堂の講演には、宮脇修一センムが登壇。フィギュアが博物館に所蔵されるまでのストーリーが語られた。

FEATURE! DAY2:GROUP DISCUSSION

3時間以上に渡り白熱!世界の文化機関の視点がオモシロイ!

開催2日目の午後は「美術館などの文化機関を普段訪れない人たちへのアプローチ」をテーマに文化機関が3つのグループに分かれ意見を交わした。ナレッジキャピタルのスタッフや、つながりのある文化人ゲストが各グループに入り、ファシリテートした。「テクノロジーと文化芸術」をテーマとするグループは、来場者にアンケートを取り、内容が都度変化していくような展示を提案。来館の目的作りに重要なオリジナリティの探求にVRやロボティクスなどのテクノロジーを活用できるのではないかと結論づけた。「教育と文化芸術」のグループは、各施設の実例をもとに、体験学習の重要性やコンテンツ・学習・娯楽のバランスをどう取るかなどを考慮し、次世代アーティストを見つけるプロジェクト「ワイルドカード」という具体例を提案した。「エンターテインメントと文化芸術」のグループはエンタメを「アプローチの一種」と解釈。これらは自分たちが「今後も作りたい価値」であると唱えた。三者三様ながらいずれもプロならではの視点で建設的な意見が多く見受けられた。各機関にとってそれぞれの施設が抱える課題解決のヒントにもなる、非常に有意義な時間となったはずだ。

Asia Arts and Culture Networking Event

「このメンバーでチームを結成したい」と今後の連携に触れるグループもあった。

参加機関

  • アダム・ミッキエビッチ・インステイテュート(ポーランド)
  • 衛武堂国家芸術文化センター(台湾)
  • M+美術館(香港)
  • 国立アジア文化殿堂(韓国)
  • 三河民族博物館(中国)
  • シンガポール・アート・ミュージアム(シンガポール)
  • タイ芸術工芸発展協会(タイ)
  • ナショナルギャラリーシンガポール(シンガポール)
  • VS. (日本)
  • フューチャーフィットファウンデーション(アジアパシフィックアライアンス)(英国)
  • 森美術館(日本)
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海外からのゲスト

2024
  • 12月
    2025
    〈英国、オーストリア、オーストラリア、フランス、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ドイツ、インドネシア、スペイン、スウェーデン、韓国、スロバキア、ケニア、台湾、ニュージーランド〉
    ISPIM Connects Osaka Conference 参加関係者
    〈ドイツ〉
    Central German University Alliance大学発 スタートアップ企業
    〈インドネシア サウジアラビア王国〉
    高校生 6校
    〈韓国〉
    釜山市・住宅政策課
  • 1月
    〈タイ〉
    タイ国立防衛大学
    〈韓国〉
    国立江原大学校
  • 2月
    〈タイ、マレーシア、中国、ベトナム、オーストラリア〉
    IBPC大阪 人材研修プログラム 参加者
    クアラルンプール市 副市長
  • 3月
    〈フランス〉
    在日フランス大使館・貿易投資庁
    ビジネスフランス 副代表
    〈カナダ、オーストラリア、インド、英国〉
    グローバルマインド アントレプレナーシップ参加学生
    〈シンガポール〉
    テマセク・ポリテクニック
    〈欧州各国〉
    駐日欧州連合代表部
    〈中国〉
    山東省青年連合会
    〈台湾〉
    客家委員会
    〈タイ〉
    ウボンラーチャター二ー大学

Knowledge Capital Global Startup Fes.
CREWW KOREA PITCHING EVENT

第4弾は隣国・韓国の注目企業とビジネス交流会を開催!

民間のアクセラレーター「CREWW KOREA」とナレッジキャピタルのコラボイベントとして3月28日に開かれた今回のイベント。大阪・関西万博を目前に関西エリアや大阪でビジネスチャンスを広げたい韓国の企業が多く、美容や健康にまつわる企業や機械産業や親子向けコンテンツをテーマとする企業など多彩な11社が参加した。韓国政府は国をあげてスタートアップのグローバル展開を支援しており、日本との関係性を広げたい方針だ。

Knowledge Capital Global Startup Fes.CREWW KOREA PITCHING EVENT

交流会では翻訳付きのピッチセッションも行われ、参加者は韓国企業の新たな取り組みに興味を示した。

連携活動

地域間連携と新たなアイデアの集積を目指し、多方面で連携!
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2025年3月

沖縄県大阪事務所とMOU※締結

アジアへの玄関口かつビジネス資源の宝庫「沖縄」が今アツい!
OMOSIROIジャーニー!~沖縄編~

「OMOSIROIジャーニー!~沖縄編~」(2024年4月)

ナレッジキャピタルと沖縄県大阪事務所がビジネスチャンスの創出と沖縄の県外展開を目的としてMOUを締結した。沖縄は観光地というだけではなく、アジア圏という巨大マーケットへアクセスがしやすいこと、経済特区に税制特例があり企業が参入がしやすいことなどから、ビジネスの可能性を多分に秘めている。さらに人口は日本全体の1%と小規模の実証実験を展開しやすい点や、風力発電をはじめとするエネルギー源への取り組みが進んでいることから、沖縄県大阪事務所はナレッジサロンを拠点として、関西圏の企業との連携を強めたい方針だ。これを受け、昨春に沖縄でのビジネスチャンスを見出すためナレッジサロン会員向けのツアー「OMOSIROIジャーニー!~沖縄編~」が開催された。沖縄県庁関係者との面談や名護市内の交流施設の視察、うるま市内の開発・投資計画についてのレクチャー、ものづくり産業の活性化とエンジニアを育成を行う団体の視察を通じ、参加者は沖縄の現状を体感できた。ほかにも昨秋の「こたつ会議」で沖縄県大阪事務所が琉球大学の研究成果を紹介するなど、多方面で県の魅力を発信している。MOU締結以後は、具体的に沖縄で事業展開をめざす企業のサポートや、沖縄の資源を活かしたビジネス創出の基盤づくりのため、本格的な連携活動が開始される見込みだ。

※相互連携に関する覚書

革新的な2つのアワードに「ナレッジキャピタル賞」を授与

ナレッジキャピタルは官民を問わず外部団体が実施する先進的な視点を取り入れたアワードやコンテストの審査に協力している。昨年11月と今年2月には、下記アワードの審査を終えそれぞれ受賞者を決定した。受賞者へはナレッジサロンの利用権や「ザ・ラボ」への展示権などが授与される。こうした連携は受賞者だけではなくナレッジキャピタル参画者にも有益だ。受賞者の新たな技術やアイデアが刺激となりオープンイノベーションの機会も生まれる。館内で彼らの名前を目にした際は、ぜひその動向にも着目してほしい。

異能ベーション ジェネレーションアワード受賞式の様子

異能ベーション ジェネレーションアワード受賞式の様子

近畿経済産業局主催

ナレッジキャピタル 企業賞

CRASSO

「東讃リベンジャーズ ~いざ、ものづくりの聖地・瀬戸内へ~」

地場産業である縫製技術を軸に香川県の東讃地域で活動中の「CRASSO」。縫製だけでなく他業種を巻き込み独自のファクトツーリズムを展開している点が興味深い。

一般財団法人UPDATE EARTH主催

ナレッジキャピタル 企業特別賞

株式会社Portalgraph

「SFに出てくるタッチ操作可能なホログラム都市の実現とその応用」

スクリーンや机上にVR空間を投影する革新的なVRプロジェクター技術を提案。体験価値の高さやシステムの取り入れやすさなど参画者との親和性の部分でも高評価を得た。

次ページ:2025年開催の2つのアワードと受賞者を支援する取り組みをチェック!

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