ナレッジキャピタルレポート

ナレッジキャピタルの直近の活動や注目の話題をレポート!

イベントレポート

2025年に開催された2つのアワードをチェック!
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2月22日開催
第11回 World OMOSIROI Award
World OMOSIROI Awardロゴ
「まだ見ぬ世界はOMOSIROI」をテーマに
知られざる世界へ

国籍や分野を問わず、未来を明るくするアイデアを持つ人々に焦点を当て、その活動を表彰するアワード。今年は環境問題では一般的に「害」とされるプラスチックを土壌づくりに役立てたり、テレビのディレクターでありながら、カメラを捨て「音」に特化した情報発信を行ったりと固定観念にとらわれない“ユニークな視点”を持つ受賞者が集い、来場者たちは初めて知る内容に興味と関心を示した。彼らはいずれも試行錯誤の過程で起きた偶然の状況や予期せぬ出来事を肯定的に捉え、そこから新たな発見や価値を見出すという共通項があるように感じる。未知の世界への探究心の原点は『OMOSIROI』だ。今後の受賞者との連携にも期待が高まる。また会場では大阪・関西万博を前に「日本文化」をテーマにプログラムが組まれた。こちらも同様に「こうあるべきもの」を覆すアイデアに溢れていた。オープニングの津軽三味線は映像とコラボし、石見(いわみ)神楽で会場を沸かせたのはなんと子どもたちだった。「NEO和菓子」も登場するなど多面的に、現代日本人の私たちに新たな伝統の可能性を示してくれた。

第11回 World OMOSIROI Award
第11回 World OMOSIROI Award

石見神楽は島根県の伝統芸能で約300年もの歴史を誇る。伝統を受け継ぐ24歳以下で演じた「八岐大蛇(やまたのおろち)」は会場に驚きと感動を与えた。

第11回 World OMOSIROI Award

NEO和菓子のコーナーには細尾のマカロンをはじめ、独自開発のフレーバーが新感覚の綿菓子や「飲めるほどに柔らかい」大福&幻の焼き芋など、進化系のお菓子がそろい、会場は大盛況となった。

受賞者
  • Amy Rose

    イギリスの
    文化機関に新風を

    Amy Rose

    キュレーター、アーティスト

  • 大山 修一

    ゴミで
    砂漠を緑化する

    大山 修一

    総合地球環境学研究所 教授、
    京都大学大学院
    アジア・アフリカ 地域研究
    研究科 教授

  • 岡根谷 実里

    土木工学者から
    台所研究家へ転身

    岡根谷 実里

    世界の台所探検家

  • 上出 遼平

    一種の妖術!?
    「上出流仕事術」

    上出 遼平

    ディレクター、
    プロデューサー、作家

  • まどかしとね

    「現代魔女」に
    なるには?

    まどかしとね

    サイボーグ魔女

3月20日開催
第12回 ナレッジイノベーションアワード(KIA)
ナレッジイノベーションアワードロゴ
「中高生の斬新なアイデアと専門家の情熱が一堂に!

全国の中高生からは「未来の仕事」をテーマにしたアイデアを、ナレッジキャピタル参画者からはイノベーティブな活動を募り、表彰するコンテスト。今年も各地からファイナリストが集結しプレゼンを披露した。環境問題や政治など社会課題に向き合うアイデアが集い審査は拮抗したが、大人は見過ごしてしまいそうな日常の中での気づきや、危険なものと安全なものといった対極にあるものの組み合わせのように、イノベーションの原点ともいえる発想が高評価を得ていた。「中学生アイデア部門」では、自身の悩みから着想し頭痛を数値化できる装置を開発する案、「高校生アイデア部門」では「毒っておいしいんですよ」という衝撃的なプレゼンで会場を沸かせた食品毒を無効化して食糧難の課題を解決するという作品がそれぞれグランプリを獲得した。また、ナレッジキャピタル参画者の取り組みが表彰される「ナレッジキャピタル部門」では、企業の革新的なアイデアが集う中、関西大学の研究が見事グランプリを獲得! 宇宙環境で課題となる「電源の温度管理」に着目し、温度を安定させるための素材を開発したもので、今後の宇宙分野に大きく寄与すると期待されている。登壇した教授は「ナレッジキャピタルがなければ、自分はこの研究に携わることはなかったし、ここでの出会いを通じて社会で役立つものを作ることができた」と喜びを語った。

第12回 ナレッジイノベーションアワード

ナレッジキャピタル部門受賞者と審査員

グランプリ受賞者
  • 「人に寄り添える未来」を目指す!頭痛測定器開発者

    中学生アイデア部門

    田畑 花歩さん

    (神戸市立住吉中学校)

  • 毒茸を無毒化した「毒だし」などを商品化!Non-toxicreator

    高校生アイデア部門

    小島 あやめさん

    (八戸聖ウルスラ学院高等学校)

  • 2024年秋に宇宙に無事放出成功!革新的エネルギー技術実証衛星「DENDEN-01」

    ナレッジキャピタル部門

    DENDEN-01 プロジェクト
    関西大学 山縣雅紀准教授

人材育成

賞の授与で終わらないその後の成長をサポート
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受賞者の未来を拓くためのサポート

ナレッジキャピタルは、アワードを「終わり」ではなく「始まり」と位置付け、受賞者のその後を力強くサポートする。学生を対象としたアワードは、大学・専門学校生を中心とした映像・デジタルコンテンツ作品を国内外から広く募る「ISCA※」と、中学生や高校生を対象とした「KIA」の2つがある。まず「ISCA」では、受賞式当日に学生とクリエイティブ関連企業の専門家や行政など社会の“大人”と直接対話できる交流プログラムが毎年実施されている。加えて、受賞作品が大手動画配信サービスで放映されたり、海外の文化機関を通じて広く公開されるなど、認知度を高める試みも。一方「KIA」では、受賞した中高生とアイデアに親和性の高い企業や団体、研究者をコーディネートする取り組みをはじめ、近年は受賞をきっかけに集まった中高生たちが社会と接点を持って活動できる場を提供している。学校や地域の枠を越えた同世代や、家族・教師以外の大人たちとの交流機会は、学生たちの自己の成長やキャリア形成の上で有効な手段となるはずだ。このようにナレッジキャピタルは、受賞者の成長を見守りながら、その過程で生まれるさまざまな課題を共に解決するため伴走する。これまでも、アワードでの受賞を糧に成長し、アイデアを武器に活躍している人たちがいる。若い受賞者たちの今後の挑戦に注目したい。

※INTERNATIONAL STUDENTS CREATIVE AWARD

「ザ・ラボ」での展示に向けて進化中!

ISCAデジタルコンテンツ部門の受賞者 石井このみさんの作品が「ザ・ラボ」で展示される。また「ISCAフォローアッププログラム」の一環として、キュレーターである丹原健翔氏を迎え、アドバイスを受けながら来場者に向けた作品の見せ方などを調整中だ。

『unburnable』(武蔵野美術大学 石井 このみ)

『unburnable』(武蔵野美術大学 石井 このみ)

金属部分に触れるとそれぞれ異なる電子音や生活環境から拾った音が鳴る、廃材を使った楽器。生活の中での「選択」に問いかける作品。

ドイツの「オーバーハウゼン国際短編映画祭」へ

短編映画としては世界最古の映画祭にて国内映像部門受賞作の入選が決まった。

『Light Fragments』(イメージフォーラム映像研究所 朝倉 小冬深)

『Light Fragments』

(イメージフォーラム映像研究所 朝倉 小冬深)

『ゑ』(多摩美術大学 清野 彩香)

『ゑ』

(多摩美術大学 清野 彩香)

ナレッジイノベーションアワードからスピンアウト!

受賞者たちが自ら発案した企画が進行中! ステップアップする活動に注目!

ENIT

Eureka's Next Innovation Team

企業とのコラボレーションで
新たな視点を得て進化中!

ENITは過去のKIA受賞者の有志で結成され、それぞれの受賞作の実現やソーシャルイノベーターの創出を目指して活動するユニット。ナレッジキャピタルが活動場所の提供や専門家とのコラボレーションをサポートする。昨年はフードロスをテーマにした「超学校」プログラムを企画・実施したり、特産物の課題を地元企業や同世代の学生と共に考えるプロジェクトにも着手した。ENITの活動はフードロスだけにとどまらない。それぞれのメンバーの持ち込み企画や、中高生の意見・アイデアを募りたい大学・企業からのオファーにも積極的に参加する方針だ。今季からオリジナルキャラクターやおそろいのユニフォームも作り結束力をアップ! 公式インスタグラムで今後の活動内容やプロジェクトについて詳しく紹介されているので、チェックしよう!

ENIT

KIAではENIT発案の「梨ロスプロジェクト2024」がナレッジキャピタル部門で優秀賞を獲得した。

ENITY

ENIT
公式キャラクター
「ENITY」

中学生によるジェロントロジー研究会

国際的に関心が高まる
中学生による老年学研究を次の舞台へ

超高齢社会をポジティブにとらえ、さまざまなアイデアを中学生目線で考える研究会は今年で2年目を迎える。初年度に企業と共に企画した「第2の人生ゲーム」などのユニークな研究内容が話題を呼び、昨年末には新聞社が主催する「超高齢社会の課題」がテーマのイベントに招待されビデオ出演するなど、世間的にも注目度が高まっている。3月のKIAの舞台では、1年間の活動を50年後を舞台にした「未来ジェロントロジー新聞」にまとめて成果発表。ナレッジキャピタルの参画企業や高齢者との交流の中で、未来の万博に展示されるパビリオンの案や、高齢者と孫のコミュニケーションツールなどの多彩なアイデアを生み出した。世界的に見ても「老年学」は日本が先進国。KIAの審査員を務めた専門家も「今後海外での活躍に期待している」とコメントした。

中学生によるジェロントロジー研究会

未来ジェロントロジー新聞には、ゴミ捨てと燃料補充の負担を軽減する「ゴミ暖房機」や、万歩計やGPSを搭載した「マイ・カスタム・ランドセル」など多彩なアイデアが。

中学生によるジェロントロジー研究会
中学生によるジェロントロジー研究会

昨年12月に「日本心理学会」で発表!

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