世界最先端の日本の原子核物理研究を行う4施設の牽引者がそれぞれリレー方式で講義を行います。21世紀の原子核物理学の潮流といえる、重力波や中性子星連星合体など宇宙の謎に迫る高密度世界の解明に関する研究内容から、先端加速器やスーパーコンピューターを用いた最先端の研究スタイルまで、日本が誇る原子核物理学の今と今後の展望をお話します。
極微の世界の原子核をクォークのレベルで理解することは、ビッグバン直後の超高温宇宙や中性子星、ブラックホールといった宇宙スケールの世界の解明につながります。湯川秀樹が紙と鉛筆を用いて開拓した原子核の理論研究が、スーパーコンピューター「京」や「富岳」の登場により新たな研究スタイルに進化した最先端の姿を紹介します。
理化学研究所のRIビームファクトリーでは、2つの問い「元素はいかにして宇宙で生まれたのか」「人類は元素を自在につくり、変えることができるのか」の答えを求めて挑戦しています。宇宙と地上での元素変換に関する研究、いわば現代の「錬金術」ともいえる研究について語ります。
宇宙初期、単なるエネルギーの塊から、究極の物質構成要素=素粒子が生まれ、それを元に多様な原子核そして原子が形成され、やがて星が生まれ、我々のような生命が生まれて現代文明を持つに至ったその過程には、奇跡のような偶然がいくつも隠されています。その不思議について、陽子加速器研究施設J-PARCでの研究をもとに、皆さんと一緒に考えます。
いよいよ稼働を開始した重力波望遠鏡KAGRAと2027年に完成予定の次世代ニュートリノ観測装置ハイパー・カミオカンデ。これらの最先端装置では、連星ブラックホールや連星中性子星の合体時に放出される重力波や、超新星爆発に伴うニュートリノの観測が期待されています。新しい宇宙観測によって繰り広げられる重力波天文学、ニュートリノ天文学とその原子核物理学の関係について語ります。
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