：ザ･ラボに参画された目的を教えてください。

弊社RealImageは世界で最も美しい3D映像の広視域、高画質裸眼3Dディスプレイを提供しています。裸眼3Dディスプレイはこれまで様々な企業が目指してきた、夢の市場ですが、ハードだけでなく、ソフトも重要であり、本当に実現が難しい市場です。この夢の市場の実現のため、来場者・スタッフ・パートナーと一緒に検討できる場を持ちたいと思ったのが、ザ・ラボ参画の目標です。

：具体的に、この場でどういった活動をされてきましたか？

弊社が開発した裸眼3Dディスプレイの体験型展示を行っています。
本ディスプレイは人間が立体感を知覚する要因のうち、最も効果がある「両眼視差」を利用しています。従って、ディスプレイ上には右眼用の画像と左眼用の画像が同時に表示されています。

表示された画像は、ディスプレイの前面に配置された特殊なフィルターによって右眼画像が見える位置と左眼画像が見える位置に分離されます。従って、その画像の位置に右眼と左眼が来ると立体視が可能となります。

しかしながら、このままでは、観察者が移動すると右眼の位置と左眼の位置が変わってしまいますので、立体視が出来なくなってしまいます。これが裸眼３Dディスプレイの最大の欠点で、これまで普及できなかった大きな要因であります。

そこで、弊社の技術ですが、ディスプレイに表示する画像とその前に配置する特殊なフィルターを観察者の位置の変動に対し、立体視の可能な位置が追従できるように最適に構成し、更に、ディスプレイに配置された観察者の眼の位置を判別するセンサーの情報により常に観察者の位置に対応し、最適な画像表示を実現しています。これにより観察者は何処に居ても、常に違和感なく立体視が可能となります。

弊社技術の特徴として、まず「実用的」であり、非常にシンプルな構造で「低コスト化が可能」であるだけでなく、計算量を削減していますので、「携帯端末でも処理可能」という重要な特徴を備えています。
次に、「高性能」という点では裸眼３Dディスプレイに要求される臨場感、画質、視域を全て達成し、展示会のアンケートでも高い評価が得られています。
更に、「独創的、先進的」という点では、国際会議で受賞2件、海外論文誌に掲載2件等で、技術の独創性、先進性は海外でも認められ、評価されています。

：展示や活動を通じて、期待していることって何ですか？

立体ディスプレイで本当に重要なのはコンテンツ、すなわち「何を表示（体験）するか」ということです。
我々は、このようにハードウェアは提供可能ですが、それを活かすのはアプリケーションであると理解しています。ザ・ラボは、家族連れだけでなく、さまざまな人が訪れる場です。そのような多様な来場者に裸眼3Dディスプレイを実際に体験してもらい、「こんなことに使用したい」とか「こんな映像を見てみたい」という意見がキラーアプリケーションの発見に重要であると考えています。また、ナレッジキャピタルのさまざまなパートナーと一緒に、キラーアプリケーション検討の場をここで行っていきたいと考えています。