NOMINATED WORKS

1/20(金)13:00~[国内映像コンテンツ部門/デジタルコンテンツ部門]、
1/21(土)10:00~[海外映像コンテンツ部門]の 受賞作品発表・上映会 にて、
3部門26点のノミネート作品より各賞を発表いたします。

国内映像コンテンツ部門

『虹いろの森』

東北芸術工科大学 武田 明香里

大きな木のお父さんと川のお母さんから生まれた緑の少女は、ある日、森の中で赤い少女と出会う。赤い髪を初めて見た緑の少女は、不思議でたまらない。広やかな森の中で、緑の少女は自分と他人の「違うところ」について考える。

『よもやま短編集』

多摩美術大学 片山 風花

とあるカフェを舞台に、店員とお客さんたちの一風変わった日常を描いた短編集。そこでは不思議な出来事がたびたび起こるが、誰ひとり気に留める者はいない。ファンタジックな世界のなかで、何が起こっても何事もなかったように回り続けるシュールな日常を描いた。

『蟹眼』

日本大学芸術学部 前田 青空

「蟹」の幻覚に溺れていく男と、それを見つめる女の情念を描いたアニメーション作品。
ロトスコープを不条理的な3DCG空間で展開させることにより、二次元性が強調されながらもグロテスクさを伴った身体のアニメーション表現を模索した。
また、制作過程でバーチャルカメラの技術を用いることで、現実のカメラや視線がもつ生々しい質感を被写体と同調させながらアニメーション空間に持ち込む試みも為した。

『私源-SHIGEN-』

文化学園大学 風早 真実

散らかった部屋で暮らす「しょうがない私」。そんな私の取り止めのない生活と、私を取り巻く「暖かな世界」をコミカルに、時にシニカルに表現した映像作品。
良いことも悪いことも、出会ったもの全てが私をつくっている。そう思うと、うまくいかない人生がなんだかとても愛しい。愛すべき世界の皆様に「私」の人生を紹介したい。そしてまた、作品を見て下さった誰かの気持ちの源になれたら...。
「私」が感じたことをエッセイ映像として作品にしました。春夏秋冬を軸にした動画を12本繋げたオムニバス作品です。

『烟草雲』

武蔵野美術大学 上田 夏美

子供の頃、祖父のお葬式で見た情景と、その日、父が珍しく家の中でタバコを吸っている姿が印象に残っている。家の中で吸えて嬉しいはずなのに、なぜか暗い表情をしている父。悲しみを代弁するかのように揺らめく煙の様子。あの日の記憶をたどって、物語は私の視点で進む。空気や風、匂い、心の揺れを煙と鉛筆の粒子によって描いた作品である。

『痼 empathy』

武蔵野美術大学 酒井 日花

胸にしこりができた。コロコロと皮膚の下で動き、姿がつかめない。カタチや大きさ、色も皮膚で遮られてしまい想像するしかない。しこりは私の体の中で確実に成長し、大きくなっていく。私の養分を横取りされているような、害であるしこりに対して、私は思考する。紙にクレヨンや鉛筆、絵の具を用いることで、手で描くことの身体性を重視した。しこりは、想像上の姿として抽象的に表現し、捉えどころのない感覚の象徴とした。実体験をもとにしている。

『渋谷にて』

武蔵野美術大学 アンドレス マドルエニョ

夜の渋谷を歩く、知らない誰かの会話。
日本に来てから、日本語でのコミュニケーションを身につけるために、よく他人の会話を盗み聞きしていました。そして次第に、公共の場で他人の会話を聞くことに魅力を感じるようになりました。渋谷の人ごみの中で、一人ひとりの背景にあるものは何なのか。他人の会話は、人に宿る複雑な宇宙を覗く窓のようです。

『彼は誰時(かわたれどき)』

名古屋学芸大学 谷本 桃子

中学生の頃に父を亡くした。父が亡くなる2ヶ月前に旅行に行った際、母が撮影した父の映像がとても印象に残っている。そこに映る父はいつもと変わらない姿で歩いているのに、実家に帰ってもどこを探しても今は動いている父の姿は見ることができない。その気づきをホームビデオと父についての語りで構成し、ドキュメンタリー映像に収めた。父が亡くなったのは夕方、「彼は誰時」。鑑賞者にとって一体映像に映る人物は誰なのかを掻き立てる。本作品は私にとって他の人にとって父はどのような存在になったのかを探す旅の記録である。

『果ての一閃 EPISODE ZERO』

HAL名古屋 ハヤカワ ツクロ

遠い未来。
地球外からの侵略兵器「ブラックナイト」と 人類との間で戦争が起きていた。
激戦の末、戦況を優位に持ち込んだ人類が ブラックナイトを掃討する最後の作戦を実行する。
未来を切り開くため 主人公"ハル"は仲間達の想いを胸に戦地へ赴く──

『広がる、せかい』

広島市立大学 大学院 栗谷 多恵

絵を描くのが好きで、少し内気な少女のお話。一人で絵の世界に閉じこもっていた少女は極端に人を恐れていました。頑なに自分の作品を見せたがらない彼女は、「鑑賞されない絵など意味がない」というクラスメイトの言葉から、絵を描くことに消極的になってしまいます。しかしその後様々な出会いを経験し、少女はまた絵と向き合うようになっていくのでした。

海外映像コンテンツ部門

『Fantasma Neon』

by Leonardo Martinelli
from The Pontifical Catholic University
of Rio de Janeiro

一般人である本物の配達員も登場し、配達員が直面する生々しい現実と可能性を表現。ブラジルの音楽とダンスで繰り広げられるミュージカル仕立ての作品。

『Tear Off』

by Clément Del Negro
from Supinfocom Rubika

ミツバチの巣に襲いかかるスズメバチと、自らを犠牲にしながら巨大なスズメバチに立ち向かうミツバチの姿を、ミツバチ目線のカメラで追いかける。ミツバチの適応能力の高さを表現した作品。

『On my Bicycle』

by Océane Lavergne
from Pôle 3D

写真家のロベール・ドアノーとアンリ・カルティエ・ブレッソンの作品から発想を得た映画。この映画を通して、自転車の老人が人生の終わりを迎えるフランス北部の田舎へと鑑賞者をいざなう。

『Phlegm』

by Jan-David Bolt
from Zurich University of the Arts

取引先との契約に遅刻確定のオスカー。焦っている彼に追い打ちをかけるようにふりかかる災難。どこからともなく次々とカタツムリが現れるなんて、一体全体、どういうこと?

『Unnamed Road』

by Songkai Zhou
from Royal College of Art

それは、まだ完成していない「名前のない道」。世界中で人々が体験する様々な出会いを、万物を構成すると言われる四大元素の地、水、火と風で抽象的に表現した作品。

『The End』

by Alexandria Siah
from Ringling College of Art and Design

「ヒルデローズ王女は勇敢な騎士と結婚し、二人はいつまでも幸せに暮らしました。」、めでたしめでたし、のはずなのに...。この物語を悲劇に終わらせるわけにはいかない、とヒルデローズ王女は奮闘の末...?

デジタルコンテンツ部門

『Kaleido Hunter』

札幌市立大学大学院 中津 正樹

この作品は、万華鏡内部のコンテンツを鑑賞者が手元のカメラで任意に設定し体験できるインタラクティブアートである。

『Magtile』

公立はこだて未来大学 晴山 京汰

磁石の吸着を利用した入力デバイスを提案する。ボードとスイッチの2つで構成され、これらで3種類の操作が行える。また、磁石で操作した際のフィードバックを得ることが出来る。

『Lag』

秋田公立美術大学 森田 明日香

電子レンジを用いて数百本のウインナーの声を聴く映像インスタレーション作品。破裂音を音声認識し、文字に翻訳。ウインナーの微かな個体差から言語リズムを抽出し、あるはずのない意識を浮かび上がらせる試み。

『Kuchibashi』

筑波大学 村上 貴人

カレドニアガラスの嘴を模倣したピンセットで様々なものを掴みやすくする。さらに丸く、かわいく、持ちやすい形は使う人を心地よくし、実際に使った人はただの作業ツールにとどまらず、クチバシで「ご飯を食べる」体験をも想起させる。

『ひらきがな』

早稲田大学大学院 春日 岳斗

平面である文字を立体として表現するだけでなく、それを再度平面に落とし込むことで歪みを生じさせ、見慣れた対象であるはずの文字に既知と未知との間にある違和感を与えることを試みる立体文字およびその制作手法。

『TIEboard:図形を学べる
デジタル知育玩具』

慶應義塾大学大学院 ゼーディ アールージ

色の変わる光る糸を用いて、色々な図形について学ぶことのできる知育玩具です。光ファイバの糸をボードの指示に従って、穴に通して色々な形を作ることができます。複雑な形の作り方や複数人での共同作業を通して、創造性と算数を楽しみながら学べます。

『AKS』

情報科学芸術大学院大学 Behicle2 河合 将也

AKSは自転車を楽器に変化させるペダルだ。自転車にはペダリングという身体運動が存在し、そこに音を付け加える。AKSは自らを取り巻く環境を音で奏でるものとして視ることを可能にし、世界を再創造する。

『ぶんぶん!ハンター』

立命館大学大学院 asobi-lab 長尾 亮虎

世界中で遊ばれる伝統的な手作り玩具である『ぶんぶん独楽』をコントローラーとして使用し、ぶんぶん独楽の遊びの拡張に挑戦したデジタルゲームです。

『櫻宮氷桜研究所』

大阪芸術大学 氷桜研究会 松田 澪奈

洞窟で発見された不思議な植物「氷桜」
全て氷のような物質でできた桜を研究する研究者の研究室に足を踏み入れ、世界観に没入して楽しむアトラクション型作品。

『Face (to...)』

九州産業大学 焼山 幸紀

オンライン上には画面に表示可能な絵画が多くある。しかし、画面に表示されるのは、作品の色情報であり、質感情報までは伝達できない。質感と色、どちらか一方での鑑賞は果たして作品と向き合っているのだろうか。

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