アメリカ中西部の冬は極寒です。
昨年末いくつかの州では、たった数日間で人の背の高さくらいまで雪が積もったとか。
クリスマスという心あたたまるビッグイベントが無ければ、楽しく冬を乗り切ることは難しいのではないか?と思うほど、くもり空の日も多く、毎日毎日 雪、雪、雪!
降っても降っても降り止まない日もあり、何しろ氷点下のためなかなか雪が溶けません。
大阪で生まれ育った私は、大雪の経験などほとんど無く、めったに降らない雪が降り積もった日には気分が上がったものでした。しかしここFindlayへ住み始めてからというもの、毎朝 窓から見える一面真っ白の世界・・・ああ、また雪だ。。。と、少しウンザリしてしまうことも・・・。
雪が降ると、色々と不便なことが増えます。
普段からどこへ行くにも車の運転は必須ですが、道路が凍ってしまうこともあるので、運転が非常に恐いです。自宅にガレージが無い場合は、毎朝 車は真っ白になっているので、まずは雪を払い落とし、車をあたためることからスタートします。もちろん車だけでなく、凍った道路を歩くのも要注意です。学校はdelayになったり、休校になることもしばしば。
また、一軒家では雪かきが大変です。(夏はお庭の芝刈り、冬は雪かき・・・一軒家のメンテナンスは意外と労力が必要ですね)せっせと手際よく自宅の雪かきをしている方や、早朝から走る除雪車を見かけると、やはりこちらの皆さんは大雪にも慣れているなぁと感心します。
時には−20°を超える日なんかもあり、外へ数分出ることも耐えられないほど本当に寒いです。"寒い"というより、"痛い"と感じます。帽子、手袋、マフラー、イヤーマフ、セーター、ダウンジャケット、ブーツ、(私の場合は日本のカイロまでも)ガッチリ防寒していても・・・寒いです。
そんな極寒の日々に私はまだまだ慣れることも耐えることも出来ませんが、雪景色の美しさは本当に素晴らしいものです。暖かい室内や車内から眺める雪景色は、思わずボーっと見入ってしまいます。また、気温の低さも相俟って、こちらの雪はサラサラのふかふかです。まさに雪のクッションのようで、新雪に自分の足跡を残すことは大人の私でも楽しいものです。
木々や家々の屋根に降り積もる雪はまるでパウダーシュガーのようで、いつもの景色が一気に愛らしく見えたりもします。少し太陽が出た日には、積もり積もった雪がキラキラと光り、目が開けられないほど眩しい世界となります。夏に太陽がギラギラと照りつける日よりも、冬の寒空に太陽が顔を出した日の方が眩しいということ、私はこちらへ来て初めて知りました。
そんな美しい雪景色ではありますが、前述のように、あまりにもくもり空の寒い日が続くと気分も下がってしまいがちです。そんなときは、“ハッピーライト”という興味深い照明もあります。太陽を浴びる時間が少なくなる冬には、このハッピーライトの力を借りて元気に乗り切ろう!というものです。要するに、太陽の代わりとして用いる照明です。
私も昨年のクリスマスにプレゼントでいただき初めて存在を知ったのですが、実際に光療法として取り入れられているんですね。もちろん自然光が一番ですが、日照時間が短い冬はどうしても難しいこともあります。時には人工的な力も借り、生体リズムを整える。大事なことですよね。
そんな、中西部の寒い冬。まだ少し先ですが、早くもあたたかな春が待ち遠しい今日です。