冬の空といえば、
空気の澄んだ美しい冬空や雪の降る景色でしょうか?
タイは一年を通して暑い国なので、
もちろん雪は降りません。
タイ北部には緑豊かな山々があり、乾季の季節は朝晩は涼しく過ごしやすいです。
しかし盆地のためか、
空気の流れが悪く、靄がかかった朝はPM2.5が含まれている事が多いです。
PM2.5とは?
PM2.5とは、大気中に浮遊する非常に小さな微小粒子状物質です。
吸い込んでしまうと細い気管支や肺の奥まで入り込み、気管支炎や肺炎、喘息など呼吸器系の病気、目の病気、神経疾患などの病気のリスクを高めると言われています。
アレルギー疾患の方は特に気をつけないといけません。
チェンマイやタイ北部の地域では乾季(11月〜2月)になると焼畑農業が行われ、
近隣国からの越境煙霧汚染、気象条件や地理的な条件などのさまざまな理由が重なり、
タイでは1年のうち、特定の時期になるととても深刻な大気汚染が観測されています。
私の経験で
比較的涼しい1月から3月にタイ北部の山間部へ遊びに行った時、宿泊した宿の近くに
昔ながらの生活を今もなお続けている村がまだたくさん残っていました。
料理を作る時は炭をおこし、枯れ葉や田畑を野焼きして次の農作業に備えている…
これは解決出来ない問題の一つです。
近年、タイでは深刻な大気汚染が発生しており、国民の健康に悪影響が顕在化しています。
2018年からバンコクでも状況はとても深刻化しています。
専門家によると、大気汚染の主な原因としてタイ国内および近隣諸国におけるディーゼルエンジンの排気ガス、バイオマスの燃焼、工場からの排気などが挙げられています。
大気汚染はタイに限らず、ミャンマー、ラオス、カンボジアなどASEAN諸国でも問題になっています。
タイのテレビニュースで
PM2.5の数値が一番高いのはタイ北部地域だと報道されていました。
世界中の数値を見てもインド、中国より状況が悪化傾向にあり、肺癌患者の人数も増えてきています。
チェンマイ在住の28歳・医師に実際にあったケースでは、
毎日ジムに通い、バランスの良い食事をしてタバコも吸わない、睡眠時間も充分な生活をしていたにも関わらず肺癌の末期と診断され、治療を受けながら原因を追求していました。
2021年にSystematic review and meta –analysisという研究者により、
主な肺癌の原因としてPM2.5、喫煙、大気汚染、殺虫剤、タルカムパウダーなどが挙げられ、28歳の医師がかかった肺がんの理由も関係があるのではないかと考えられています。
PM2.5による人体への影響は、全世界でも問題視されています。
昨今、リアルタイムで確認できるアプリの開発により外出時の事前確認や、室内の空気清浄機の使用が必須となりつつあります。
コロナだけでなく、PM2.5に対してもマスク対策が必要です。