私の旅は、木々が立ち並ぶ大通りとソビエト時代の建築で知られる活気に満ちたカザフスタンの首都・ビシュケクからスタートしました。国際フォーラムに参加するという喜びに歴史豊かなふたつの都市を訪問できるという期待が合わさって、心が躍りました。
ビシュケクからエレバンに向かうには、モスクワで飛行機を乗り継ぐ必要があります。ほんの短時間ではありましたが、ロシアの首都であるモスクワに降り立つことができたのは感慨深い経験でした。壮大な建築や賑やかな街並み、歴史的ランドマークが雄大で力強い雰囲気を醸し出していました。時間は限られていたものの、なんとか有名な観光地を訪れることができました。
モスクワからエレバンへ向かう機内からはアルメニアの多彩な景観を望むことができ、着陸したとたんに古の歴史と現代の活気が融合したエレバンの街に圧倒されました。世界で最も古くから人類が居住している土地のひとつであるこの街には、独特の文化が入り混じり、人の温かさがあふれていました。
欧州復興開発銀行の年次総会は、世界中から各界のリーダーや政策立案者、ビジネスの専門家が集う一大イベントです。エレバン・ビジネス・センターで開催されたこの総会では、持続可能な開発とイノベーション、地域協力を中心に議論が交わされました。
総会以外についていうと、エレバンではたくさんの貴重な体験をすることができました。アート・シーンは活気にあふれ、美術館やギャラリーは熱のこもった議論に参加した後でほっと一息つくのに最適なスポットでした。グルメもまた、エレバンの醍醐味のひとつです。アルメニアのバーベキュー、ホロヴァツ(khorovats)や薄焼きパンのラヴァッシュ(lavash)を始めとする伝統料理は、非常においしくて忘れられない味です。地元のマーケットでは新鮮な農産物やアルメニアの製品がたくさん並んでいました。
欧州復興開発銀行年次総会への参加を目的とした、モスクワ経由でのビシュケクからエレバンへの旅は、仕事においてもプライベートにおいても実り多い体験となりました。総会ではデジタル技術を活用した持続可能なビジネスの実践について深く学ぶことができましたし、エレバンの街での文化探訪は忘れられない旅の1ページとなったのでした。