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  • 2024.11.15
  • 先人を称え、次世代に記憶をつなぐ「歴史と祖先追憶の日」
キルギスでは、11月7日と8日は「歴史と祖先追憶の日(the Days of History and Remembrance of Ancestors)」。キルギス人にとっては自国の歴史や文化的ルーツ、祖先に対する深い敬意を象徴する大切な日です。この祝日は、過去に起きた出来事を記憶にとどめるだけでなく、すべてのキルギス国民に自国の歴史遺産を未来の世代に伝えていくという責任を思い出させてくれる日でもあります。
歴史と祖先追憶の日は、キルギス史上最も悲しい事件である1930年代の弾圧に由来しています。スターリンが主導した大粛清において、文化、科学、政治界の重要人物を含む何千人ものキルギス人が逮捕され、処刑されました。特に11月8日は弾圧の犠牲者を追悼する日とされ、国民は大静粛で苦難を被った人々に敬意を表し、歴史的正義と追憶をテーマにしたイベントが数多く開催されます。
キルギスの歴史に刻まれた弾圧や悲しい出来事の記憶は、人権を尊重し自由を守ることがいかに重要かを改めて気づかせてくれます。毎年、この祝日には記念式典が開かれ、人々は弾圧の犠牲者が眠る墓地に花を手向け、祈りを捧げます。政府や公的機関だけでなく一般市民も積極的にこうした式典に参加し、敬意と追悼の意を表します。
歴史と祖先追憶の日は、悲劇的事件を回顧するためだけの祝日ではありません。この2日間はキルギスのルーツと民族の偉大な歴史に思いを馳せるためにあり、国の発展に多大な貢献を果たした英雄たちや芸術家、科学者を称える様々な文化伝統イベントが催されます。
また、若い世代にとってこの日は特別な意味があります。何世代にもわたって継承されてきた歴史的継続性と国民の不屈の精神力がいかに重要かを理解する機会となっているのです。教育イベントや講義、展示を通してキルギスの若者たちは自国の歴史への理解を深め、その豊かさや多様性に感謝を捧げます。
また、この祝日は社会における団結と連帯の重要性を強調する日でもあります。過去を顧みることでキルギスの人々は前に進む力を得るとともに、先人たちが示した勇気や、何度でも立ち上がる強さから刺激を受けています。この祝日は国民のアイデンティティを強化し、過去を称えることが、価値ある未来を築くために不可欠であると気づかせてくれる重要な日なのです。
ご紹介したように、11月7日と8日はキルギスの一年のなかでも非常に重要な日です。この日が来るたびに、国民は自分たちの歴史の偉大さと複雑さ、この国で起きた悲劇と勝利、そして後世にこれらの記憶を残すことの重要性を再確認するのです。

特派員

  • ダニアール・バクチエフ
  • 職業公務員

はじめまして。ダニアールと申します。公務員です。キルギス共和国に住んでいます。趣味は本を読むことです。また、旅行やいろいろな食べ物を味わうことも好きです。よろしくお願いします。

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