• 2016.10.11
  • ベルリンでの選挙
ここのところ、ドイツは選挙の最中で、様々な州で投票が行われています。ベルリンは州でありながら市でもある少し特殊な位置づけであるため、上院選挙と地方選挙が同時に行われます。

地方選挙では、12ある地区の為の区長選挙が行われます。この選挙には、ドイツに住民票を置くEUの外国人と、ドイツ国籍を持つ16歳以上の市民が投票できます。ヨーロッパ以外の外国人は、長期居住者でも投票する事が出来ません。

選挙期間中、各党は各地区の街角にスタンドを出し、スーパーマーケットや駐車場の前や、繁華街の路上で、市民を捕まえようとしています。選挙活動の為のプラカードは7週間前から貼り出す事が出来ます。プラカードを貼り出す場所はとても慎重に選び抜かれています。必ず渋滞が起きる箇所の沿道には、特にたくさんのプラカードがあります。こういう場所で人々は他にする事が無く、宣伝を眺める時間はいくらでもあるからです。

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道端に並んだ大きなプラカード

また、特定の対象を狙った場所にもプラカードの集中が見られます。例えば、平均的家庭を狙う宣伝活動には学校の前などが人気です。

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家族向けのプラカード

また、極右NPDなどは、敢えてモスクの前などにプラカードを掲げ、挑発的です。この場合、プラカードはとても高い位置に貼られます。そうしないとすぐに壊されてしまうからです。

特に面白いのは、対立する候補者のポスターのすぐ近くに、直接対抗して貼られるプラカードです。このようなプラカードでは、相手のスローガンを揶揄することで批判したり、直接反論したりしています。この種のプラカードは遅い時期、ほとんど投票直前の時期に掲げられます。接戦になった時に、迷っている層の人々を引き込む為です。

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一番下は現クロイツベルグ区長のポスター。一番上は別の政党のポスターで、オリジナルそっくりのデザインに彼女の発言を引用しています:「計画は特にない」。

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一番上のプラカードは極右の政党の、その下はそれを野次る政党のプラカードです。 「ここにはナチを吊し上げることが出来る」(広告を貼ることと縛り首の駄洒落)

プラカード合戦は 紫の党、動物保護党などの、小さくて知られていない党にとってもアピールのチャンスです。それでもどの党を選べば良いのか分からない人々や、政策要綱を読むのが面倒な人たちにはwahl-o-matと言うオンラインの簡易診断アプリのようなものがあります。これは、選挙に参加する全21の党が連邦政治教育センター の考えた質問に、それぞれ賛成、反対、中立の3択から自分の考えを選んでいくと、そのデータを元に、最も近い政党を選んでくれます。不在者投票以外の有権者は、この日曜日に公的な建物、学校や市役所などで一票を投じました。


特派員

  • マーラ・ グローナー
  • 職業リサーチャー、ツアーガイド

出身は南ドイツですが, 10年程ベルリンに住んでいます。ツアーガイドとしても働いています。ベルリンというダイナミックな街で生活していると、新しい発見が尽きません。

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